コロナ体験記 ハチミツ二郎(後半)

芸人とサラリーマンの二束のわらじで生活の難を回避したハチミツ二郎さん。コロナの恐怖が襲い掛かったのは去年12月のことでした。「前日の夜に37.5℃の熱が出て、当日は38~39℃くらい」突如襲った高熱、苦しくはなく、空咳みたいなのが出ていましたが、二郎さんの妻が主治医に電話し、自宅での待機を指示されます。

念のため、2018年に大病を患った際に購入していた、医療機器を使用しました。「パルスオキシメーターという体内の酸素数を計るものを個人的に買ってたので計ったらもう88しかなくて…」血液の酸素濃度を測る機器で正常の場合の数値は95%以上。それを下回ると医師の診断が必要な状態。90%を下回ると「呼吸不全」全身に十分な酸素が行き渡らない危険な状態となります。

「もう1回妻が主治医に電話したら(88という)数字を救急隊に言えばすぐ来てくれるから」といわれ救急搬送となった二郎さん。そこで新型コロナウイルスの陽性が判明し、そのまま麻酔で眠りにつきます。すると「起きてやたらみんな騒いでるから、どうしたのかと思ったら12月14日に入院したのに22日だったんですよ」8日間も意識を失っていたという二郎さん。目が覚めた場所は重症患者病床の中でした。

20キロ痩せ、寝たきり状態で一気に衰弱する体、そんな中、久しぶりに家族と連絡できる機会が訪れます。「子どもにかわってくれって言ったら泣いててしゃべらないんですよ。娘も結局、うちの奥さんも濃厚接触者になったんで、一人で部屋で過ごして、ご飯も部屋の前にお母さんが持ってきて、なんか溢れるものがあったんじゃないですかね。」久しぶりの娘とのやり取り…電話を切った後もスマートフォンでメッセージを送ろうとした時、自身の更なる異変に気付きます。

「今度は…LINEのやり方が分からないんですよ。なんかちょっとした記憶障害みたいなのがあるって」リハビリを重ね、徐々に回復。様々な異変と闘いながら1カ月の入院生活を経て無事退院した二郎さん。その後、ひっ迫する医療現場からの思いを受け自身のお笑いコンビのユーチューブチャンネルでその闘病生活について公表しました。

緊急事態宣言下の今…二郎さんが感染したからこそいま伝えたいことは?「人それぞれだと思うんですよ。風邪とかインフルより怖くないって本気で言ってる人がこんなにいるんだって思っちゃうし、だけどかかった身からすれば死ぬウイルスだよって。実際陽性出たけど何も無かったという人もいるでしょうけど、自分が感染させた人が重症化する、亡くなってしまうかもしれないということだけは思ってて欲しいですね。」

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