松浦港(御厨地区)緑地整備 着工へ 「憩い、にぎわい創出」期待

©株式会社長崎新聞社

緑地公園などとして今後、整備、活用が進む県の埋め立て地=松浦市御厨町

 長崎県が松浦市御厨町で進める「松浦港(御厨地区)緑地整備事業」は本年度、実施計画を策定し、来年度から「緑地ゾーン」の整備が本格化する。市も今後、埋め立て地の一部を県から購入し、老朽化した公共施設の移転や民間との協働で有効活用を図る計画だ。市民の憩いの場としてだけでなく、交流人口の拡大や新たなにぎわいの創出などが期待される。

 御厨地区では、公共工事で出た残土で海面を埋め立てる工事が2001年度から始まり、17年度に完了していた。埋め立てでできた土地の面積は約4.5ヘクタールで、東京ドームとほぼ同じ広さ。
 活用策について、市は市民を交え16年度から県と協議しゾーニング(区域割り)を進めてきた。県は20年度に合計3回の住民説明会を開催。整備に向けて住民の意見や要望を聞き、基本計画をまとめた。
 計画では埋め立て地のうち、約3.4ヘクタールを広大な芝生広場を含む多目的広場として整備。芝生広場を取り囲むように1周約600メートルの遊歩道、あずまや、ベンチ、トイレ、乗用車など約100台が止められる駐車場を設ける。緑地ゾーンには、原子力災害が起きた際に住民の一時集合場所としての役割もあり、大型バスや防災ヘリが止められる場所なども備える。
 県は本年度、実施計画を策定し、整地などの工事に一部着手したい考え。本格的な工事は22年度からで、24年度には完成予定。事業費は約2億5千万円。
 市も埋め立て地の一部約0.5ヘクタールを県から購入する予定。支所機能を備えた御厨公民館が老朽化していることから、新築移転するなどし、行政サービスの充実や生涯学習などの拠点として整備する。
 敷地の一部は経済活動区域として民間活力を導入する方針。地元農水産物などの集荷や販売、松浦らしい特色ある産品の開発などの活用策を模索している。地元から緑地に子ども向けの遊具設置を求める声があることから、市は県から敷地の一部を借りて設置を検討している。
 埋め立て地に隣接する御厨町里免の無職、松瀬美治さん(65)は「松浦は子育てに優しいまち。御厨地区には子どもの遊び場所が少なく、市西部地区に市民や子育て世代の憩いの場が欲しかった」と緑地整備に期待を寄せる。
 ただ、支所機能を備えた公民館の移転については、他の公共施設との間で整備の優先順位があり、現段階では実施時期は未定だ。市政策企画課は「緑地が市民の憩いの場として活用されるとともに、経済活動ゾーンを設けることで、地域の活性化や振興、交流人口の拡大につなげていきたい」としている。

松浦港(御厨地区)の全景。右奥の埋め立て地で工事が進められる(県提供)