境内を電車が通過!佐賀県『陶山神社』に遮断機ナシ…日本全国「不思議な駅」~その③~

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日本全国「不思議な駅」~その③~境内を通過!? 佐賀県『陶山神社』に遮断機ナシ (C)週刊実話Web

一見どこにでもある普通の神社のようだが、警報音が突然鳴り響いたかと思いきや、境内を猛スピードで列車が通過する──。

全国各地には「なぜ、そんなところに?」と首をかしげたくなるような場所に線路が通っていることがある。

佐賀県西松浦郡有田町にある陶山(すえやま)神社がまさにそれで、境内を横切る形で踏切が存在し、線路1本の単線ながら特急・普通列車を合わせて通過する列車の数は1日70本以上とたいへん多い。しかも、時期にもよるが、クルーズトレインとして有名な豪華寝台列車『ななつ星in九州』が通ることもあるのだ。

特に陶山神社の踏切は、列車接近を知らせる警報音のみが鳴る仕様となっている。一般的な踏切と違って遮断器はなく、注意を促す看板が設置されているだけ。当然、細心の注意を払う必要はあるものの、鳥居越しに通過する列車が撮影でき、鉄道ファンだけでなくアマチュア写真家にも人気のスポットとして有名だ。

鳥居や灯篭、狛犬の一部は有田焼!?

そんな陶山神社が創建されたのは1658年。当時、この地を治めていた鍋島藩の指示によるものだと伝えられている。17世紀初頭、この地域で陶器の原料となる白磁の鉱脈が見つかって窯が開かれたことが、今では全国的に知られている有田焼の起源とされている。その後、この一帯は焼き物の一大生産拠点として栄え、陶工たちの崇敬を集める氏神のような存在だったのが、この神社というわけだ。

陶器街のいわば中心的な場所で、境内奥の階段を上がった先にある本殿は、小さな盆地になっている有田の町を一望できる地元の絶景ポイント。もちろん、ここからも踏切を見下ろすことができ、カメラを構えている者も多い。

陶器街の中心地に位置する 佐賀県『陶山神社』 (C)週刊実話Web

なお、焼き物の町ということもあって、神社の境内にある鳥居や灯篭、狛犬の一部はなんと有田焼。そもそも陶器製のものが滅多にないだけに、たいへんご利益がありそうだ。

実際、地元でも多くの旅行客が訪れる人気観光スポットになっている。もし有田に行く機会があれば、立ち寄ってみて損はないだろう。