福山ばら祭2021(令和3年5月10日~23日) ~ 咲き誇る5月のばらを会場とオンラインで楽しもう

ばらのまち、福山。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で人々の暮らしは大きく変わりましたが、福山のまちに植えられた約100万本のばらは、5月になると変わらず美しく咲き誇ります。

2021年のばら祭は、「2週間の分散開催」「会場とオンラインのハイブリッド方式」の新しい試みで実施される予定です。

「美しく咲くばらを愛でる」原点に帰ったばら祭を、会場や自宅で楽しんでみませんか。

福山ばら祭とは?

戦後の混乱のなか、市民の手で公園に約1,000本のばらが植えられたのが「ばらのまち福山」の始まりです。

凛としたばらの美しさは市民の心を魅了し続けてきました。

ばらとともに、福山市民が大切に育てているのは「思いやり・やさしさ・助け合い」の心。

この「ローズマインド」を世界と次の世代へ届ける祭が、福山ばら祭です。

福山ばら祭は、2021年で54年の歴史がある市民手作りの祭。

写真提供:福山祭委員会

お子さんから大人まで幅広い年代が楽しめる祭として、ばらの咲き誇る5月の第3日曜日を起点とした、土曜日・日曜日の2日間で開催してきました。

2019年には、ローズパレードや ばらのステージ、ぶちうま広場など、多彩なイベントで約86万人の観客を動員しています。

写真提供:福山祭委員会

しかし、2019年末から世界が一変しました。

人が多く集まる大型のイベントは、ことごとく中止せざるを得なくなります。

そのため、2020年のばら祭はインターネットとラジオによる「おうちでばら祭」として、開催されました。

福山ばら祭2021はここに注目!

会場とオンラインのハイブリッド開催

2021年のばら祭は、2020年に引き続きオンライン(インターネット)を活用します。

さらに、開催期間の延長や新型コロナウイルス感染症拡大対策の徹底などの工夫をして、会場でも開催!

ばら祭史上初の、会場とオンラインのハイブリッド開催となります。

写真提供:福山祭委員会

1年でもっとも美しい5月のばらを楽しむ

2021年のばら祭は、「ばらを愛でる」という原点に立ち帰ります

1年のうち5月は、もっともばらが美しく咲き誇る月です。

人ごみができないよう、さまざまな配慮のもとで開催される2021年のばら祭は、絶好のばら鑑賞のチャンス

爽やかな5月の風のなかで、市民の皆さんが丹精込めて育てたばらの花々が気高く咲くようすを、どうぞたっぷりと楽しんでください。

ばら祭2020公式YouTubeチャンネルより

切りばらコンテスト・フラワーデザイン講習会

福山市内のばら愛好家が育てたばらの美しさを競い合う「切りばらコンテスト」は、ばら祭の原点ともいえる歴史あるコンテストです。

フラワーデザイン講習会」は、ばらを使ったアレンジメントのワークショップ。

室内を彩る造花のアレンジメントに挑戦してみませんか。

ばらの相談コーナー・販売コーナー」や「ばらのガーデニング講習会」など、ばらのある暮らしを楽しむための企画も各会場で開催します。

ローズレター・ドリームレター

写真提供:福山祭委員会

ローズレターは、10年後に届ける「ばらの絵手紙」です。

大変人気があって毎年の開催は難しいため、節目の年だけに開催してきたイベントなので、今回は貴重なチャンス!

10年後の自分へ、あるいは大切な人へ、時を超えて「ローズマインド」を届けましょう。

写真提供:福山祭委員会

ドリームレターは福山市内の小学4年生が対象です。

10年後に20歳になる自分へ、どんなメッセージを送るのでしょうか?

写真提供:福山祭委員会

オンライン中継番組配信

ばら祭2020公式YouTubeチャンネルより

当日のセレモニーのようすをドローンやハンディカメラで中継するほか、市民参加の企画を盛り込みます

福山への思いを込めた「1分間ばらのまちプレゼン」や、ネタや道具にばらを使ったオモシロ動画の「爆笑ばら-1グランプリ」、「心に咲く花 ダンス振り付け動画」などを市民から募集し、YouTubeの「福山ばら祭2021チャンネル」で配信する予定です。

写真提供:福山祭委員会

例年、ばらのステージで行なわれてきた小学4年生の児童たちの「1/2成人式」はオンラインで実施されます。

20歳の自分へ向けたドリームレターを読み上げる、夢いっぱいの1/2成人たちの姿に注目です。

写真提供:福山祭委員会

このほか、講演会や琴の演奏など、さまざまな企画が用意され、会場で、自宅で、それぞれのスタイルで楽しめるばら祭となっています。

ばら祭実行委員長・貝原大和さんにインタビュー

福山ばら祭2021の実行委員長の貝原大和(かいはら やまと)さんは、合同会社StrAction代表や福山青年会議所理事、福山駅前商店会役員など、いろいろな肩書で活躍するかたです。

──ばら祭の実行委員長とは、どのようなお仕事なのか教えてください。

貝原(敬称略)──

ばら祭のすべてを決めていくのが実行委員長の役目です。

名誉職というより、本当に実行する側ですね。

福山青年会議所という組織のなかから推薦で実行委員長を出すのですが、僕が27代目で任期は2年、去年が1年目で今年(2021年)が2年目になります。

──まさにコロナ禍でのばら祭の総責任者ですね。

貝原──

そうですね。

これまでだと、企画の内容は8~9割が「例年通り」です。

ですが、去年(2020年)と今年は一つひとつの企画について「なぜ今これをやるのか?」をゼロから考えて進めてきました。

一番つらかったのは、ばら祭に関わってくださる部会のかたがたに、今まで続けてきたことをやめてもらわなければならなかったことです。

──ばら祭に関わっているのは何人ぐらいですか。

貝原──

ばら祭には26の部会があって、ここに200人ほど部会のかたがたがいます。

中高生や一般市民による、ローズボランティアが約1,300人。

出演者や市役所のかたがたを合わせて約2,000人ぐらいですね。

ばら祭はすべて、有志の市民のみなさんで手作りしている祭なんです!

写真提供:福山祭委員会

──今年は長期の開催になりますね。

貝原──

人ごみを作らないための分散開催となる5月のこの2週間は、とにかくばらが一番きれいな時期です。

例年のばら祭でもばらは咲いているんですが、看板や重機などがあり、人も多くて、実はばらをそんなには見られなかったんですよね。

来年(2022年)はもう少し世の中が落ち着くと仮定すると、今年はただ静かにばらを楽しめる、本当に貴重な機会になるのではないかと思っています。

──昨年のオンライン開催の反響はどうでしたか。

貝原──

足腰が悪くてばら祭に行けたことがないかたから「自分も同じようにばら祭を楽しめてうれしかったです」とメッセージをいただきました。

今年もオンラインでばらの魅力や講習など、さまざまな情報を発信します。

写真提供:福山祭委員会

──ばら祭をどんな人に見てもらって、どう感じてほしいと思いますか。

貝原──

まずは福山市民のかたに、きれいなばらを見てほしい。

コロナ禍で、できないことがだいぶ増えて、社会もけっこうギスギスしてきていますが、こういうときだからこそ誰かのことを思いやり、優しくありたいと思うんです。

その姿勢をばら祭の発信から感じていただいて、生活や考え方に何かいい要素を得てもらえたらと思っています。

今回、今までと同じ企画を例年通りすることはできなかったかわりに、「これならできる」ことを一つずつ用意してきました

コロナ禍でできることは減っているけれども、形を変えてできることはある。

ばら祭を見に来たかたが、自分たちのやり方を見つけるきっかけにしてくださったらうれしいです。

写真提供:福山祭委員会

──2021年で実行委員長の任期が切れますが、次は何をしたいですか?

貝原──

実は今もばら祭と並行して、夏祭りの新しい企画を練っているところです。

自分の地元である福山が、より有意義なまちになってほしいと思っています。

祭だけじゃなく、自分の事業でもいろいろなことに挑戦中です。

自分がやりたくて、実現ができて、世の中にニーズがあるなら、やらない理由がないじゃないですか。

おわりに

インタビューの間、始終にこやかに、そしてよどみなく、ばら祭と福山に対する熱い想いを語ってくれた貝原さん。

そのバイタリティで、これからも福山のまちを元気にし続けてくれることでしょう。

2021年のばら祭は2週間の分散開催、会場とオンラインのハイブリッドと、これまでにない試みで行なわれます。

美しいばらの花を愛で、「思いやり・やさしさ・助け合い」の心を誰かに届けてみませんか。

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