本州にないって本当?こどもの日の定番「べこ餅」は北海道だけらしい

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日本では、5月5日のこどもの日に柏餅を食べる風習がありますが、北海道では違うものを食べます。それが“べこ餅”です。

「べこ餅」って何?

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べこ餅は木の葉の形をした、白と黒の2色のお餅です。北海道の郷土菓子です。今でも多くの道産子が食べており、こどもの日が近くなるとスーパーやコンビニに並びます。こどもの日に保育園や幼稚園で配られることもあるようです。

筆者もこどもの頃に、市販のべこ餅や親戚が手作りしてくれたものを食べた記憶があります。もちろん柏餅もありましたが、べこ餅の方がなじみ深いです。

どうして北海道ではこどもの日に「べこ餅」を食べるの?

その昔、山形県の郷土菓子“くじら餅”が北海道でも食べられていて、葉の形へと独自の進化をとげてべこ餅になったとされています。道南の一部地域では、今でもべこ餅のことを“くじら餅”と呼んでいるのだとか。

とはいえあくまで一説であり、北海道でこどもの日にべこ餅を食べる理由について、はっきりとはわかっていないようです。

べこ餅と北海道の深い関わり

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べこ餅はこどもの日に食べるのが定番ですが、桃の節句などほかのハレの日や、お彼岸、法事などでも食べられています。昔はお米が貴重なものだったので、特別なときに食べられていたようですね。

その一方で、通年販売しているスーパーや和菓子屋さんもあり、普段から食するお菓子でもあります。古くは漁師さんや炭鉱労働者が携帯していたという話も。とっておきのお菓子としてだけでなく、日常的なおやつとしても親しまれていたようです。

「べこ餅」ってどういう意味?

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“べこ餅”という名前も不思議ですよね。これもはっきりとした由来はわかっていませんが、いろんな説があります。

・白と黒が牛の模様のよう→べこ(牛)→べこ餅

・黒糖を混ぜた部分が“べっこうに近い”→べっこう餅→べこ餅

・米粉(べいこ)と砂糖を混ぜた餅→べいこ餅→べこ餅

たしかに牛の模様にもべっこうのようにも見え、米粉には間違いないので、どの説も説得力がありますね。

べこ餅ってどう作る?どんな味?

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べこ餅は白玉粉と上新粉を合わせ、砂糖と少しの塩を溶かした熱湯と混ぜて葉の形にし、蒸して作られます。もっちりとした食感と、餅自体がほんのりと甘いのが特徴です。黒い部分は黒砂糖を使っているので、白い部分とは違う甘みを感じられます。

葉の形をした木型に入れたり、あるいは手で成形してヘラで葉脈をつけたりして、葉の形に仕上げます。少ない材料と簡単な手順なので、手作りする家庭もあります。今は人工着色料で色づけしたり、よもぎを使って本物の葉のように緑にしたり、アレンジもさまざま。さらには葉の形ではないべこ餅もあります。とはいえ、やはり白黒2色で葉の形をしたべこ餅が定番です。

青森県にも「べこ餅」がある

青森にも“べこ餅”という名前の菓子があり、北海道と同じようにこどもの日に食べます。しかし、見た目は全く違います。細長いかまぼこ形で、金太郎飴のように切ると断面に美しい柄や模様が連なって出てきます。

ルーツは北海道のべこ餅と同じ山形県のくじら餅といわれていますが、北海道とは全く違う進化をとげています。

べこ餅を見かけると、今年もこどもの日がやってきたなと実感する道産子も多いでしょう。道外の方にもぜひ食べてほしいおいしさです。日頃から販売しているお店もあるので、道外の方も見かけたらぜひ食べてみてくださいね。

【参考】 端午の節句のお菓子 特集2 新・日本の郷土食(2) / 農林水産省 べこ餅 北海道 うちの郷土料理 / 農林水産省 くじら餅 山形県 うちの郷土料理 / 農林水産省 4/25~4/27献立表 給食だより / 光塩学園女子短期大学附属認定こども園 べこもち 青森県 うちの郷土料理 / 農林水産省

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