F1予選スプリントレース導入に伴うチームへの金銭的補償が決定。リタイア、大規模クラッシュの際は予算調整も

 F1コミッションは、2021年シーズンの3戦における予選スプリントレースの導入を承認した。各チームは修正された予算制限にしたがって、追加の補償金を受け取ることになる。

 グランプリレースの歴史上初めて、F1チームは1億4500万ドル(約158億7000万円)の予算制限のもとで運営されている。しかしながら、この制限にはいくつか除外された項目がある。ドライバーの報酬、最も給与額の高い3名の従業員への給与、マーケティングコストの全額がそれにあたる。

 予選スプリントレースのフォーマットによって、チームが追加の走行時間を稼ぐことになる可能性は低いが、土曜の午後の100kmにわたる猛ダッシュのレースでダメージが起きるリスクは高くなる。

 スプリントレースの潜在的な危険を補うために、各チームはイベントごとに15万ドル(約1600万円)の補償金の支払いを受けることになる。3回の予選スプリントレースの週末に向けた金額は、45万ドル(約4900万円)に相当する。

 レギュレーションには、「2021年12月31日に終了する1年の報告期間中に行われる、予選スプリントセッションを含む各競技に向け、F1チームは2021年12月31日に終了する報告期間中の関連コストの計算を15万ドル(約1600万円)分下方修正しなければならない」と記されている。

 さらにチームは、スプリントレースでのリタイアやピットストップが行われた場合に向けて、マシン1台あたり10万ドル(約1000万円)の予算を調整することが許可されている。また大規模なクラッシュが起きてチームの負担がその金額を超えた場合、予算制限部門によって追加の調整が行われるか、「事故のダメージの費用と10万ドル(約1000万円)の差額に相当する額」の調整が行われる。

 F1はこの新たなフォーマットを初めて7月のイギリスGPで試す予定だ。3回のトライアルレースのうち、残りはモンツァ(イタリア)とインテルラゴス(ブラジル)で開催されると見られている。

2020年F1第8戦イタリアGP グリッド

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