ヤクルト奥川が6回2失点で猛虎相手にプロ初QS 白星逃すも成長示す

力投する奥川

ヤクルト・奥川恭伸投手(20)が5日の阪神戦(神宮)に先発し、6回3安打2失点と好投した。プロ通算5度目の先発でクオリティースタート(6回以上を自責点3以内)は初めて。4月8日の広島戦以来となる白星は逃したものの、好調な猛虎打線相手に堂々と渡り合った。試合は2―2の引き分けだった。

初回の投球に成長が表れていた。先頭の近本を三邪飛に打ち取ると、糸原は中飛に料理。前回対戦で本塁打を浴びているマルテはスライダーで見逃し三振に仕留めた。

過去4度の先発で、もっとも手こずったのが立ち上がり。プロデビュー戦となった昨年11月10日の広島戦では初回に2失点。今季も3月28日の阪神戦でサンズの適時打で先制点を献上し、4月8日の広島戦では二死走者なしからの5連打で4点を失った。同23日の中日戦でも福田の適時打で先制を許すなど、奥川にとって初回は〝鬼門〟だった。

2回も順調そのもの。二死走者なしから迎えた佐藤輝との対戦では、初球の外角へのフォークでストライクを先行させると、スライダーと直球で交互に内角を突き、最後は146キロ直球で空振り三振を奪った。

悔いが残るのは3回の投球だろう。先頭の梅野に中前打を許すも犠打などで二死としながら、近本と糸原に連続四球を与えて満塁に。自ら招いたピンチでマルテに右前に運ばれ、2点を先制された。4回以降も安定した投球ができていただけに不用意な失点となってしまった格好だ。

6回を投げ終えて86球はプロ最多で、1試合5三振は自己最多タイ。2年目を迎えたドラ1右腕が一歩ずつエースへの階段を上っている。

奥川のコメント「今日の調子自体はまずまずでしたが、3回に先頭打者を簡単に出してしまい、二死から四球を2つ出してしまったのがもったいなかったです」

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