ゴルフ版スーパーリーグ創設の動き 2022年スタートの可能性浮上

マスターズVの松山英樹もターゲットか(ロイター)

ゴルフ版〝スーパーリーグ(SL)〟が2022年からスタートする可能が浮上した。英紙「テレグラフ」など欧米各メディアが次々と報じ、ゴルフ界はこの話題で持ち切りとなっている。

各報道を総合すると、SLはサウジアラビアのオイルマネーを背景に世界のトップ選手だけを集めて開催され、48選手からなるエリートグループが年間18試合を世界各地で行う。各試合の賞金総額は14億円以上になる見通しでマスターズの総額約12億6000万円より高額に設定。さらに一部のトップ・オブ・トップには参加のサインをしただけで30~50億円もらえるとの情報もある。

すでに選手勧誘にも動いており、タイガー・ウッズを始め、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、人気のリッキー・ファウラー、フィル・ミケルソン、ブルックス・ケプカ(ともに米国)らにアタック。SLは人気選手全てを参加させたい意向だけに、アジア人として初のマスターズ制覇を果たした松山英樹(29=LEXUS)もターゲットとなり得る。

一方の米ツアー側も対抗措置に出た。ジェイ・モナハン会長は、今週の「ウェルズファーゴ選手権」の会場で選手とミーティングを行った。ツアー関係者によると、その席で同会長は選手に対して「新しいリーグと契約をした場合、直ちに米ツアーからの出場停止処分となり、それはツアーからの永久出場停止となる可能性が高い」との趣旨の発言をしたという。

既存の団体が厳罰で〝脅し〟をかけるのは、競技こそ違えど、サッカー界の欧州スーパーリーグ(ESL)のときと同じ構図だ。欧州サッカー連盟(UEFA)が、ESLに参加するつもりだったレアル・マドリード(スペイン)らに欧州チャンピオンズリーグ出場権はく奪などをちらつかせた。ESLは選手、ファンなどの反発もあってあっさり鎮圧されたが、かねて構想のあったゴルフ界のSLは実現するのだろうか。

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