「会派」とは一体なんだろう?~本当にすぐわかる政治用語~

政治にちょっと関心があるけど、ちゃんと調べるほどには興味ない!

そんなあなたに選挙ドットコム素人代表ひがし(@misuzu_higashi)が政治や選挙にまつわる専門用語を簡単解説するコーナー、第3回は「会派」です。

ずばり、会派とは何だろう?

「会派」とは、2人以上の議員が政治活動をともにしよう!というグループです。ん?それは政党とは違うの?と思いますよね。実は会派とは議院内での活動単位なのです。ここが最大のポイントで、そもそも衆議院・参議院の中では活動単位を「政党」ではなく「会派」でカウントしているのです。1人だけの会派は認められず、その政治家は無所属として扱われます。

なので、衆議院ではA党とB党はそれぞれ独立した会派を結成しているけれど、参議院ではA党の参議院議員とB党の参議院議員が会派を結成する、という状況も発生します。もちろん、政党に属している国会議員同士ではなく、無所属の国会議員も他の国会議員と一緒に会派を結成することができます。

会派の人数で決まるものがある!

違う政党に所属する、もしくは政党に所属しない国会議員が政党の垣根を超えて会派を結成するのは、メリットがあるからです。

委員会の委員・理事、質疑時間は会派ごとの所属議員数に比例して割当てられるのです。大きな会派に属するほど、諸々の縛りは増えるけれど発言権が増えるということですね。発言力を得ることを目的に、複数の政党所属の国会議員が集まって組んだ会派を「統一会派」と言ったりもします。

現在どんな「会派」が活躍しているの?

現在衆議院で活躍している会派は(2021.4.27現在、人数順)

(1)自由民主党・無所属の会

(2)立憲民主党・無所属

(3)公明党

(4)日本共産党

(5)日本維新の会・無所属の会

(6)国民民主党・無所属クラブ

※無所属10名

※欠員1名

大きな政党の場合、会派の名前を政党名と一致させ、一部無所属の議員が考えの近い政党と会派を組むケースが多いようです。

また、立憲民主党・無所属会派には社民党の議員も1名います。社民党って名前、つけなくてよかったのかな……。

 

現在参議院で活躍している会派は(2021.4.27現在、人数順、ただし7~10は全て2名)

(1)自由民主党・国民の声

(2)立憲民主・社民

(3)公明党

(4)日本維新の会

(5)国民民主党・新緑風会

(6)日本共産党

(7)沖縄の風

(8)れいわ新選組

(9)碧水会

(10)みんなの党

※無所属(各派に属しない議員)7名

参議院の方が会派の数が多いようですね。

なお、正副議長になった議員は会派を抜けて無所属となることが慣例となっており、無所属だから議長に選ばれやすい、という意味ではないそうです。

会派は地方議会にもある

ここまで国会の衆議院と参議院を例に解説してきましたが、都道府県や基礎自治体の議会にも「会派」は存在しています。それぞれの地方議会の公式ページを見ると「会派構成」や「会派別議員名簿」といった形で会派に属する議員が紹介されています。国会と同じように、政党を超えて会派を組んだり、無所属議員を含めて会派を結成しているケースが多々あります。

まとめ:会派は政党とは異なる議院内・議会内の活動単位

「会派」とは国会の各議院や地方議会で使われる言葉で、2名以上の議員が政治活動をともにする活動単位のことでした。政党という縛りではなく会派としてグループを扱い、委員会や質問時間等の割当てをする決まりから、発言力を高めるために会派を結成する無所属議員もいます。

今まで地域政党・諸派という政治用語を扱ってきましたが、全く違う概念ですね。今後も本コーナーでは知っているようで知らない政治用語をご紹介していきます!

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