原城跡沖合に「白洲」 珍しい植物で構成 南島原・6月まで見学ツアー

原城跡の沖合約500メートルに突如浮かび上がった白洲=南島原市南有馬町沖

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、原城跡(長崎県南島原市南有馬町)の沖合に、「白洲(しらす)(リソサムニューム礁)」と呼ばれる乳白色の浅瀬が干潮時に出現している。
 原城遊漁船組合(小田重一代表)によると、この浅瀬はサンゴ礁とは異なり、極めて珍しい植物の一種「リソサムニューム」で構成されているという。
 満潮時は約4メートルの海底にあり、最干潮前後になると一部が浅瀬となって現れる。船で渡れば上陸することもできる。
 小田代表(76)は「世界でも珍しく、インド洋とイギリスの海岸、原城沖の3カ所でしか見ることのできない貴重な場所と聞いている。年によって異なるが、3~8月の数日間しか現れない」と話す。
 4月29日夕、同組合の見学ツアーがあり、県内外の行楽客14人が2隻に乗船。町内の漁港を出発すると、約10分で浅瀬に到着した。子どもたちは上陸すると、白洲を駆け回り、海藻を集めて遊んでいた。相模原市の会社員、飯塚真一さん(47)は「2年前は天候が悪くタイミングを逃した。海から原城跡や天草諸島を眺める不思議な光景に出合えて旅の記念になった」と喜んでいた。
 見学ツアーは最干潮前後に合わせて6月まであと7回予定し、次回は5月26日。ライフジャケットは同組合で用意しているが、海水を浴びるため着替えや上陸用のマリンシューズが必要。問い合わせは原城温泉真砂(電0957.85.3155)。

白州を構成する植物の一種「リソサムニューム」

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