中日ガーバーは〝ハズレ〟なのか 竜OBは擁護「バースやブライアントも最初は打てなかった」

ガーバー(左)の評価は真っ二つに分かれている

借金4の4位と低迷する中日で悩みの種となっているのが攻撃面だ。チーム打率2割3分2厘と同13本塁打はリーグワースト。打力が売りだった新外国人マイク・ガーバー外野手(28)もここまで7試合に出場し、すべて3番を任されながら29打数5安打、打率1割7分2厘、12三振と結果を出せず風当たりが強くなっている。

与田監督は縦の変化球に対応できず、2度の好機を含めて4打数4三振と精彩を欠いた5日のDeNA戦後に「こういうときもあるので、次、打ってくれることを期待する」とガーバーを擁護した。しかし、球団内では「正直、ガーバーに3番は荷が重い。低めの変化球にほとんど手が出てしまうし、今のところ一発も期待できない」と嘆き節まで出ているほどだ。

一方で擁護論もある。ガーバーを一軍に送り出した仁村二軍監督は「大体予想がついていた。これから縦の変化球とかに慣れないとそう簡単には打てないし、外国人は1~2か月は見ないと分からない。体もできていない中でやっている」と現在の状況は想定内だと力説。その上で「そんなに悪い選手じゃない。スイングはしっかりしてる。内側からしっかり(バットが)出るのでファームではいい見本だったし、そんなに心配はしていない」との見解を示した。

新型コロナ禍の影響で来日が遅れ、二軍戦わずか4試合に出場しただけで貧打にあえぐ一軍の起爆剤として4月28日に昇格した。昨季はマイナーリーグが中止となり、約1年近く実戦から遠ざかっていたことも考慮すべきだろう。

本紙評論家で中日OBの宇野勝氏も「ガーバーの評価を下すには早すぎる。キャンプもオープン戦もやっていないわけだから。構えやスイングにクセがなく勉強熱心。日本の野球に慣れてくれば結果を出す可能性はある。阪神のバースや中日から近鉄に移籍したブライアントも最初は打てなかったけど日本で成功した。落合(博満)さんの神主打法をマネして打てるようになったギャレットもいた」と擁護する。

メジャーで目立った実績もなかったバースは来日1年目の1983年は4月に15打席連続無安打と出遅れたが、その後、調子を上げて25試合連続安打と当時の球団記録をつくり、85年には球団初の日本一に貢献。86年には2年連続の3冠王に輝いた。

宇野氏は「3番ではなく一度、6番とかに打順を下げて復調を待つのも手」と言う。ガーバーがバースやブライアントの再来となるかは、首脳陣の我慢にかかっているのかもしれない。

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