たき火原因 火災多発 長崎市消防局が注意喚起

廃材の焼却火により作業場兼倉庫の一部を焼いた火災現場=7日、長崎市牧島町

 長崎市消防局管内(長崎市、西彼長与、時津両町)で「たき火」を原因とした火災が6日までに17件発生。昨1年間の発生件数13件を既に上回り、過去10年で最多のペースで推移している。7日午後にも廃材の焼却火が原因とみられる火災が起きており、同局などが注意を呼び掛けている。
 7日昼、長崎市牧島町。60代男性が廃材を燃やしていたところ、近くの木造平屋の作業場兼倉庫に燃え移り、一部を焼く火災があった。親族の女性は「ちょっと目を離したすきに」と申し訳なさそうに話した。
 同局予防課によると、1月16日から5月6日にかけ管内では枯れ草やごみを燃やす「たき火」を原因とした火災が17件発生。うち15件が強風注意報や乾燥注意報の発令中だった。
 初期消火が遅れ、近くの山林に燃え広がったり、物置小屋が全焼したり、被害が拡大。水を入れたバケツなど初期消火の準備や、完全に消火するまでその場を離れないといった予防対策がされていないケースが目立つという。
 一方、市廃棄物対策課によると、一部の例外を除き、焼却炉を使用せずにごみを燃やす「野焼き」は廃棄物処理法で禁止されている。煙害の訴えが寄せられることもあり、市は原則禁止している。同課は「指定のごみ袋に入れてごみステーションに出すか、市のごみ焼却施設に搬入するか、適正に処理してほしい」としている。


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