【The インタビュー~本音を激白~(特別編)】女子プロレス「スターダム」の岩谷麻優(28)がまさかの“寿引退”を宣言した。団体旗揚げ戦でデビューを果たし、今年1月にデビュー10周年を迎えたエースが紆余曲折のレスラー生活を振り返るとともに、爆弾を抱える左ヒザの状態や自身の結婚観にまで踏み込むなど、注目発言を連発。女子プロレス界のアイコンから、目を離すな!
――デビュー10周年
岩谷 周りもでしょうが、自分自身もこんな長く続くと思わなかったのでビックリだし、うれしいし、楽しいです。
――10年を採点すると
岩谷 昔「こうなりたい」と思ったレスラーになれているので、10年前の自分が採点したら100点。だけど、今の自分が採点したら60点です。自分の立ち位置を確立できていない。もっとタイトルマッチに絡めるようにしないと。
――10年の間にはケガもあった
岩谷 以前は「そんなに派手にやられてるのになんでケガしないの」って言われるくらいなかったんです。最近ケガをするようになってきたんですけど、それでも欠場は最長で3か月くらい。手術もしてないし、結構運が強いと思います。
――18年から負傷している左ヒザの現状は
岩谷 内側靱帯が断裂していて、そこはテーピングと筋力で補って…という形です。たまに寝返り打つだけでカクってなることもありますけど、これからも手術せずにうまく付き合っていこうと。まあ、内側ですし、全然大丈夫ですね。
――選手生活の区切りについて考えることは
岩谷 自分は寿引退するので(断言)。
――力強いが、予定は
岩谷 一切ないです(断言)。
――力強いが、なぜ
岩谷 プロレスラーとしてやりたいことをやってきたので、あとは女としての幸せっていうんですか? 子供が欲しいんですよね。今日出会って今日結婚でも全然アリだと思うんです。ただ、ちょっと、同居できないんですよね。
――義両親との関係は難しいとか
岩谷 いや、親じゃなくて夫とです。別居婚。そういう特殊な結婚がいいです。まあ、そんな感じなので引退はいつか分からないよって感じ。明日かもしれないし、30年後かもしれない。
――この10年間を振り返ってみて
岩谷 私は旗揚げ前に入団したんですけど、そのころ、みんなで「2、3年続けばいいね」っていう話をしていたんです。(ロッシー)小川さんの団体っていうこともあるし(笑い)。でもゆずぽん(愛川ゆず季)もいて旗揚げからたくさんの方に見ていただいて「あれ、これいける? すごい団体になるんじゃないか」って。その後ゆずぽんがいなくなって、お客さんが減って「大丈夫かな」と不安があって、その後に盛り返して…。
――いい時と悪い時を繰り返して今に至る
岩谷 今は誰かが欠場しても代わりにすぐ誰かがサポートする形ができたように思います。人数の多さも強みになっているし、個々のキャラクターも実力がついてきたので団体としての心配はなくなった気がします。
――団体が安定したことで自身への影響は
岩谷 こう言ったらあれですけど、楽ですね。昔は「3人娘」(岩谷、紫雷イオ、宝城カイリ=現カイリ・セイン)で1日2試合とかありましたけど、今は選手一人ひとりの負担が分散されてプロレスに集中して打ち込める環境になったので。
――次の10年は団体にどうなってほしいか
岩谷 今のメンバーで考えると、10年後は羽南、(スターライト)キッド、AZMとかがトップになって若い選手を育てるくらいになってほしい。新3人娘? そうですね。それくらい、彼女たちがプロレスに向き合ってくれれば、安心して見ていられるので。
――自身の目標は
岩谷 ベルトを取るという気持ちや上に上がりたい気持ちはあります。そこを忘れたら本当に終わりだと思うので。それと前から言っている通り、日本にいながら、世界に名を広めることと「こんな細い体でもこんなすごい試合をやってるんだぞ」っていうのを一般層に届けたいです。
――なるほど
岩谷 あとは、女子プロレス大賞(2019年度)を取った時「ロレックスを買いたい」と言ったんですが、まだこれというのに出会えていないので、今年こそ買いたいです!
【狙うベルトは「白」】現在無冠の岩谷は再浮上を狙っている。スターダムでは「赤のベルト」と言われるワールド王座と「白のベルト」と言われるワンダー王座が双璧をなすが、照準を定めるベルトを問うと「今は白です」と断言。その理由を「赤は(過去の戴冠で)十分価値を上げたと思っているんですけど、白のベルトの価値を自分が高めたことってあまりないんですよ。なのでまだ自分の引き出しがあるのかなって。白は感情のベルトなので」とした。
だが、現在は自らが率いる「STARS」が極悪ユニット「大江戸隊」との抗争中とあって「今はリーダーとしてユニットを守るということを集中しないと」。まずはしっかりと足元を固め、満を持してタイトル奪還に乗り出すという。
☆いわたに・まゆ 1993年2月19日生まれ。山口・美祢市出身。2011年1月23日にスターダム1期生として星輝ありさ戦でデビュー。13年12月29日にアーティスト王座を初戴冠した。15、16年のシンデレラ・トーナメントを連覇。紫雷イオ、宝城カイリ(現カイリ・セイン)と「3人娘」と呼ばれた。19年にROH女子王者としてMS・Gで試合を行うなど名実ともに団体の象徴に。ワンダー王座とワールド王座はともに2度戴冠した。163センチ、53キロ。