『アジアの科学者100人』 長崎大の北教授を選出 同大初

北潔教授

 シンガポールの科学誌「Asian Scientist Magazine」が発表した2021年版「アジアの科学者100人」に、長崎大大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科長の北潔教授が選出された。同大からは初めて。
 発表は今年で6回目。アジアで優れた科学者の業績をたたえるもので、著名な賞の受賞や、際立った科学的発見、学術界や産業界の発展への貢献などが対象。
 北教授は、細菌や寄生虫、がん細胞などが低酸素環境に適応する仕組みを解明。新薬開発に向けた研究につなげたとして、20年に日本学士院エジンバラ公賞を受賞。これが評価されて選出された。北教授は「生命科学の基礎研究における発見が評価された点をうれしく思っている」と話した。
 このほか、新型コロナウイルスの増殖をほぼ完全に抑制する効果を試験管内で確認した天然アミノ酸「5―アミノレブリン酸(5―ALA)」について、コロナ感染患者に投与する特定臨床研究を進めている。北教授は「5―ALAは室温で長期間安定している上、飲み薬として、効率的に幅広い集団に安全かつ容易に処方することができる。特定臨床研究で効果を確かめ、治療薬、予防薬として完成させたい」と話している。

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