「今は我慢」「生殺し状態」飲食店主ら諦め、不安 長崎市内営業時短延長へ

週末にもかかわらず人通りがほとんどない歓楽街=7日午後7時48分、長崎市本石灰町

 「厳しくなると予想していた」「今は我慢するしかない」-。新型コロナウイルス流行を受け、県が長崎市内の飲食店などに営業時間短縮期間の延長を要請した7日、店主らからは諦めや今後を不安視する声が聞かれた。
 同日午後7時を過ぎた歓楽街の思案橋。週末にもかかわらず、ほとんどの店がシャッターを下ろし、通りの人影はまばら。船大工町の居酒屋「鳥けい」の隈部周作代表(46)は時短延長を「仕方ない」と受け止める。要請を受け、閉店時間を同8時に前倒し。常連客のために営業は続けてきたが、「第4波で街に人がいなくなった。生殺し状態。休むしかないのかな」と休業が頭をよぎる。
 油屋町の台湾料理店「台湾厨房 圓山(えんざん)」の店主、小林誠志さん(64)は延長要請に従う考えだが、経営の悪化を懸念。「ゴールデンウイーク(GW)までは予約があったが、それが終わるとぴたりと客足が止まった。今より苦しい状況になるのではないか」
 延長要請では、昼夜を問わずカラオケ利用の自粛も求められた。本石灰町でカラオケスナックを営む井上忠義さん(65)は、期限通り11日に要請が解除されるとは思えず、途中で時短から休業に切り替えた。「(要請に)反発しても印象が悪くなるだけ。協力するからにはきちんとお金(協力金)を出してほしい。くつろぎの場として店を続けたいから」と感情を抑えるように語った。
 取引業者にも影響は続いている。市内のある酒店は、3月に回復していた売り上げが時短要請で再び落ち込み、今はコロナ前と比べて3割ほどという。男性従業員(35)は「普段の8時すぎなら、ひっきりなしに配達しているのに…」とうつむく。まん延防止等重点措置が適用されると、関連業者も協力金の受給対象になるが「出たところで程度が知れている。給与分は賄えないだろう」と諦め顔だった。
 尾上町の大型商業施設アミュプラザ長崎は、施設内飲食店の時短営業の終了時期を「4月28日から当面の間」としていたが「延長要請に従う」方針という。

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