組織的に戦うサッカーへ V長崎・松田新監督 一問一答

 松田浩新監督は「攻守にアグレッシブなサッカー」から「組織的に戦うサッカー」へ転換してチームを立て直す意向を示した。以下、会見での一問一答。

 -水戸戦に敗れて翌日夜の就任発表だった。
 試合後にばたばたと強化部、首脳陣の判断があって、私に打診があった。急なことだし大変な状況だと感じたが、自分がここにいる意味は何かのお役に立つためじゃないかという思いで引き受けた。試合、練習、振り返りの映像を作ったりと、目の回るような忙しさ。

 -選手たちを前に、まず何を語ったか。
 自分自身を信じてほしいと。まだ目標は達成できる。絶対できると信じてほしい。それがすべてのスタート。自分と、このグループを本気で信じれば行動が変わる。信じて、助け合ってほしいと最初に話した。
 試合が始まったら、考えながらやっても絶対にいいサッカーにならない。正しいと思うことを正々堂々とやってほしい。萎縮しながらとか考えながらやるんじゃなくて、ダイナミックにやってほしい。一つ約束してくれと言ったのは、走らない、サボる、守備に戻らないとか、そういうのだけはやめてほしいと伝えた。持っているものすべてをチームのために出してくれと。

 -今季は「攻守にアグレッシブなサッカー」を掲げていたが、見直す点は。
 勝つことからの逆算。その時々で効果的なプレーを全員が同じ絵を描きながら戦うサッカーをしたい。個の力を持っていても11人が同じ方向を向かないと勝てない。それがあればどんなチームにも勝てる。個々のストロングを奪い取ろうとまでは思わないが、組織的にやろうとは思っている。変えてほしくないのは自分の色を出すこと。変えてもらうことはチームのやり方を理解してもらうこと。全員で、局部的にはグループで意思統一の取れたプレーをしてもらいたい。

 -全試合で失点している守備の修正が必要。
 守備と攻撃は表裏一体なので、攻撃の行い方も失点をしないように、攻守の切り替えが勝敗の鍵を握る。セットプレーの守備も大事にしないといけない。守備も11人でやる。11人が同じ絵を描きながらどこでどういう奪い方をするか、共通理解した上で、あとはそれぞれの任務を明確にする。

 -現在15位だが、勝ち点や順位の目標修正は。
 そう遠くを見てやることはできない。目の前の試合が一番大事だと思っている。結果、勝ち続ければ上位にプレッシャーをかけることにつながる。サッカーはメンタルの世界だから、プレッシャーをかけることで上位が鈍ればチャンスが出る。

 -J2栃木を率いた2013年以来の監督業。ブランクが懸念される。
 ずっとサッカー界に携わってきた。(13年以降は)日本サッカー協会の一員でブラジルワールドカップやユーロ大会を視察した。S級インストラクターは最先端を見ていないと指導できないし、自分のサッカーを日々進化しないとアカデミーも指導できない。サッカーのメンテナンスはやってきたつもり。


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