このまま売って欲しい! 格好良過ぎて市販化を熱望されたモーターショーのコンセプトカー5選

モーターショーのステージでセンターに飾られるコンセプトカーは、各メーカーが近未来のあるべき理想を形にした夢のあるクルマだ。あまりに格好良過ぎて「もうこのまま売って欲しい!」と反響の大きかったコンセプトカー5台を改めてご紹介しよう!中には反響があり過ぎて、本当にそのまんま売ってしまったクルマも…!?

Nissan Gripz Concept(日産 グリップス コンセプト)[2015年9月・フランクフルトモーターショー出展・新型ジューク コンセプトカー]

ショーモデルの反響があり過ぎて、実際に市販化してしまった!? 1993年に突如現れた格好良過ぎるコンセプトカー「いすゞ ヴィークロス」

こちらはコンセプトカーの「ヴィークロス」

タイトルに「(コンセプトカーを)このまま売って欲しい」と書いたが、そんな声を本当に実行してしまった希少な事例がこのクルマ、「いすゞ ヴィークロス」だ。

1993年の東京モーターショーで発表。「ワイルド&フレンドリー」というコンセプトの通り、四駆らしいゴツさと柔らかな曲線が不思議とマッチしていて、非常に近未来的に映る。30年近く経ったいま改めて見ても全く古く見えない。

こちらは市販版の「ビークロス」

そしてこちらが、ショーから4年後の1997年、実際に市販化されたヴィークロス改め「いすゞ ビークロス」。「コンセプトカーそのまんま」な再現率の高さも素晴らしい!

2015年当時「新型フェアレディZ!?」とウワサされたグリップスの正体は2代目ジュークだった

日産 グリップス コンセプト

自動車メーカーがモーターショーに出展するコンセプトカーの中には、特定の次世代モデルをイメージして創られていることがある。そして後から見返すと「ああ、あのクルマのもとがこれだったのか」ということもしばしば起こる。

日産が2015年9月のドイツ・フランクフルトモーターショーに出展した「Gripz Concept(グリップス コンセプト)」もそんな1台。フェアレディZをそのままSUVにしてしまったようなスポーティなフォルムが特徴だ。

「日産 新型ジューク」(2代目・日本未発売)

モーターショーから丸4年が経過した2019年9月、日産はコンパクトSUV「ジューク」をフルモデルチェンジし欧州で発表した。グリップス コンセプトの市販版である。全体のフォルムからディテールに至るまで、良く見比べてみれば2台の深いつながりを随所に感じることが出来る。

2015年当時「このコンセプトカーが欲しい!」と思っていた人は、新型ジュークを目の当たりにしてどう感じたのだろうか。

欲しい!の声殺到も市販化ならず! 5ナンバーのエレガントな4ドアクーペ「ダイハツ DNコンパーノ」

「ダイハツ DNコンパーノ」

軽自動車やコンパクトカーでお馴染みのダイハツが、東京モーターショー2017会場で発表したのが「ダイハツ DNコンパーノ」。ボディサイズは全長4200mm×全幅1695mm×全高1430mmとコンパクトな5ナンバーサイズだが、なかなか存在感がある。

コンパーノの名前は、1963年に発売したダイハツ初の小型乗用車に由来している。会場でもオリジナルのコンパーノ ベルリーナ(2ドアセダン)が、ステージで仲良く並んで展示されていた。

東京モーターショー2017会場でお披露目され、市販化も期待されていたが…

小型車専門メーカーのダイハツが創ったエレガントなコンパクト4ドアクーペは、コンセプトカーとは言え妙に現実味もあった。実際にユーザーからは大きな反響があったようだが、残念ながら市販化とはならなかった。

いすゞ 4200R

コンセプトカーから3年後にはプロトタイプへ進化したものの市販化には至らなかった「日産 ブレードグライダー」

日産 ブレードグライダー[2013年 第43回東京モーターショー2013出展車両]

2013年に開催された第43回東京モーターショー2013で日産が発表した「ブレードグライダー」は、「リーフ」に続く新たな電気自動車の姿を提案するEVスポーツカーのコンセプトカーだ。

三角翼(デルタウィング)形状の奇抜なスタイルが只者ではない雰囲気だが、日産では本気で市販化を模索していた。

日産 ブレードグライダー(プロトタイプ)[2016年8月発表/走行可能なテスト車両]

東京モーターショーでの発表からおよそ3年後の2016年8月には、走行可能なプロトタイプ車両を発表。日本を始め世界各国で実際にデモ走行を行ったりしている。

市販化に向け確実に進化を遂げていたブレードグライダーだったが、その後残念ながらプロジェクトは終了してしまった模様。この不思議なレイアウトのEVスポーツカーに、一度は乗ってみたかったものだ。

バブル絶頂期の1989年に現れた夢のスーパーカー「いすゞ 4200R」が今見てもカッコいい!

いま改めてみてもため息が出る…32年前の作品とは思えないほどカッコいい「いすゞ 4200R」

冒頭にご紹介した「ヴィークロス」(ビークロス)を誕生させたいすゞは、他にも1980年代から90年代初頭に数多くのコンセプトカーを発表していた。

中でもバブル絶頂期の1989年、幕張メッセで初開催された第28回東京モーターショーで発表された「いすゞ 4200R」は別格の存在。夢のようなスーパーカーだった。

ミッドシップモデルには珍しく、後部に+2の補助シートを持つ

丸みを帯びたフォルムは、当時のスペシャリティクーペ「いすゞ ピアッツァ」の流れを汲むもので、今見ても新鮮だ。V8 4.2リッターをミッドシップに搭載し、ロータスと共同開発したアクティブサスペンションを採用していた。

同じ東京モーターショー会場でホンダはアルミボディのスーパーカー「NSX」を発表。いすゞも4200Rを対抗馬として市販化か!? と当時大いに盛り上がっていたが、市販化はかなわなかった。

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