無死で5度得点圏も無得点… 繋がらない鷹打線に工藤監督が注文「しっかり準備して」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

2点差の9回は1死二、三塁の好機も得点できなかった

■西武 2ー0 ソフトバンク(8日・PayPayドーム)

ソフトバンクは8日、本拠地PayPayドームでの西武戦に2-0で敗れた。これでこのカード1敗1分けとなり、5カード連続でカード勝ち越しを逃すことになった。

この日は「タカガール・デー」ということで、本拠地のスタンドは入場制限こそあるものの、ピンク色に染まった。その中で先発のマルティネスは7回を投げて5安打2失点。初回に先制点こそ与えたものの、結果的にはハイクオリティスタートと、先発としての役割を十分に果たした。リリーフした嘉弥真、泉もともに無失点に封じ、投手陣は9回まで2失点と試合を作った。

その一方で奮わなかったのが攻撃陣だ。西武と同じ6安打を放ち、相手守備陣の3失策という乱れもありながら、最後までスコアボートにゼロが並び続けた。2回、4回、6回、7回、9回と5度も無死で得点圏に走者が進みながら、いずれのチャンスも後続が繋がらずに得点にはならなかった。

2回は先頭のグラシアルが二塁打で出塁しながら、続く栗原が空振り三振。甲斐の三ゴロでグラシアルがタッチアウトとなり、最後は松田が三ゴロに倒れた。4回には代打の長谷川が二塁打で出塁。栗原に送りバントを命じて得点を狙ったが、甲斐、中村晃が倒れた。

6回には相手守備の乱れで先頭の牧原大が一気に二塁に進んだが、柳田、長谷川、栗原の中軸が相次いで凡退。7回は甲斐の遊ゴロを一塁山川がエラー、中村晃の四球で無死一、二塁とするも、松田が送りバントに失敗、周東、上林も倒れた。9回は連続四球で無死一、二塁とし、周東が犠打を決めて1死二、三塁としたが、後続が続かず。最後は2死満塁で柳田が遊ゴロに終わった。

「何とかしようとする気持ちが強すぎるのも…」

チャンスは作りながらも、あと1本が出ずに敗れたソフトバンク。工藤公康監督は「僕らに対する批判があるかも知れないですけど、勝てなかったら僕らの責任なので。それは真摯に受け止めて。勝っていかないといけないチームなので、明日から1つずつやっていくしかないのかなと思います」と責任を口にしつつ、攻撃陣にも注文をつけた。

「バッターの執念、何とかするぞという思いだったり、その辺の強い思いを持って戦うことが大事だと思う。調子が良い悪いは選手にはあるでしょうし、そういう時にしっかり役割を果たして次の人にバトンタッチすると。今日のノーアウト二塁とかも何とかしようという気持ちは分かるんですけど、何とかしようとする気持ちが強すぎるのも良くない」

さらに次のように続けた。「結果が出ない時はあります。それは僕らが責任を取らなきゃいけないこと。選手は試合に集中して、できることを準備して試合に入るというのも大事なのかなと思います。バッターはバッターなりに、投手は投手なりに相手を知ることも大事なのかな、と。一生懸命に真っ直ぐを待っていても、真っ直ぐに強いヤツに真っ直ぐは投げてこないですよね。そう言うのを理解した上で打席に入るか入らないかで、ずいぶん変わるんじゃないかなと思います」。

なかなか波に乗り切れないチーム状況に、指揮官は改めて攻撃陣に“準備の大切さ”を訴えかける。試合中に負傷したグラシアルが剥離骨折などで離脱することが決定。千賀や東浜、高橋礼、高橋純、デスパイネと主力が不在の中で主砲の離脱は大きな痛手となる。2年連続リーグ優勝、5年連続の日本一へ正念場を迎えている。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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