<レスリング>【東京オリンピック世界最終予選・特集】出場選手の話(男子グレコローマン)

 

(2021年5月8日、ブルガリア・ソフィア)


 ■男子グレコローマン87kg級・角雅人(自衛隊=2回戦でアジア王者に1-1のスコアで惜敗)「(2回戦は)スコア的には、ロースコアで惜しい試合ですが、自分の実力不足を実感し、悔しい気持ちです。アジア予選のときはグラウンドのリフトで上げられて負けました。今回は、上げられることがなかったのはよかったことです。悪かった点は、1-1になって、ラスト1点を取り切ることができなかった。もう少し攻めることが必要でした。相手は逃げに入って積極的にこない状況。組み手を制して、相手に『守らなければ』と思わせる攻めが足りなかった。力不足でした。

 レスリングを通じていろいろな経験をさせてもらい、東京オリンピックを目指す代表として4~5年やらせてもらいました。その中で得たものがありますし、年齢的にまだいっていない。次(パリ・オリンピック)を目指すかどうかは分かりませんが、しばらく休み、まず身近な大会で頑張れればなあ、と思います。この敗戦が(将来)よかったと言えるようになればいいですけど、まだそこまでは言えないです」


 ■男子グレコローマン97kg級・奈良勇太(警視庁=日本チームの最初の試合を勝ちながら、続く試合で黒星)「出場権を取れずに残念な思いです。1回戦は(大会の)第1試合で、計量からリカバリーの時間が短い中で、工夫してしっかり動ける準備ができ、最後に取り切れたことがよかったです。2回戦は、一気にのまれてしまって、速く終わってしまう悪いところが出ました。練習してきた寝技の防御は、1回戦はしっかりできたけど、2回戦は(グラウンドでは)勢いでくる選手で、勢いのまま点を取られた。スタンドでも2度押し出され、相手に流れがいってしまった。

 まだ25歳になったばかりなので、次のオリンピックを目指すつもりです。1年1年勝負していかなければならない。次に何の大会に出るかは決めていませんが、決めたら、そこに照準を合わせてやっていきたい。(日体大で同期の文田健一郎から)アジア予選や今回、いろんな言葉をかけてもらった。一緒にオリンピックへ行けないことは申し訳ない」


 ■男子グレコローマン130kg級・園田新(ALSOK=パンアメリカンの強豪に勝ちながら、続く試合で黒星)「出場枠を取れなかったことに悔しい気持ちでいますし、日本代表として闘って、申し訳ない気持ちでいっぱいです。よかった点は、自分から攻めていく気持ちを出せたこと。駄目だったことは、体力的に劣っていること。ここを直さないと次につながらない。気持ちの面はだいぶついてきたけど、海外の選手の方が勝ちたい、という気持ちがまさっていると思いました。

 (次とはパリ・オリンピック?)日本代表でいる限り、責任をもって頑張りたい。リオデジャネイロ予選の時と比べると、世界と闘えるようになったとは思いますが、オリンピックに行けないと意味ない。これまでの強化の成果は出たとは思うけど、それだけでは世界で闘えない。あと3年間、その差をどうつめられるか、西口先生(茂樹=強化本部長)とかと話し合い、どういう強化がいいのかを考えたい」

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