【東京五輪】英紙が〝五輪開催ありき〟の理由を解説「お金だけ」

東京五輪の行方は…

五輪を開催するしかない理由とは――。

昨年3月に新型コロナウイルス禍の影響で1年延期となった東京五輪の開幕まで残り2か月半。依然パンデミックが落ち着くメドは立っておらず、再延期や中止を求める声も聞かれる中、英紙「ガーディアン」は「五輪はお金という1つの理由だけで予定を動かすことはできない」と報じ「国際オリンピック委員会(IOC)の収益の4分の3は、4年ごとに開催される夏季五輪と冬季五輪の2つのイベントによるテレビの放映権料から得られている。IOCは数十億ドルがブラックホールに吸い込まれる脅威には耐えられないので、コロナどころではない」と言い切った。

大会の実施にあたっては、IOCや組織委員会などが感染症対策を進めているが、どこまで効果を発揮するかは不透明。「アスリートが東京に向かうまで残り10週間となったが、五輪が本当に開催されるかどうかについて、多くの人がまだ疑問を抱いている。不確実性によって引き起こされた精神的苦痛は、耐え難いものである」と疑問を投げかけた。

その上で「最終的に何が起こっても、本当の勝者はほとんどいないだろう。過去5年間ほど準備に時間を費やしたが、メダルへの希望は、選手村でコロナが確認されることで打ち砕かれる可能性がある。大会が失敗すれば当然批判されるのはIOCであり、いずれにしても多くの賞賛を勝ち取る可能性は低い」との見方を示した。

本番まで残された時間はわずか。果たしてIOC側は〝コロナ〟という課題をクリアすることができるのだろうか。

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