NY半世紀、創作たどる 横須賀出身画家・木村利三郎さん追悼展

ニューヨークを題材にした、縦1.2㍍の抽象画を鑑賞する田口会長=横須賀市東逸見町

 横須賀市出身で米ニューヨークを拠点に創作活動を続けた画家・木村利三郎さん(1924~2014年)の追悼展が、同市東逸見町の「おもしろかん按針」で行われている。16日までの土日と祝日正午~午後6時。入場無料。

 木村さんは東逸見町に生まれ、神奈川師範学校(現横浜国立大)と法政大を卒業。1964年に渡米し、半世紀にわたってニューヨークで創作活動を続け都市を主題とした作品を数多く手掛けた。

 2015年に次いで2度目の追悼展は、逸見地区の活性化を目指す市民グループ「コロボックルの会」が木村さんの七回忌にちなんで企画。地元の住民や小学校が所蔵する大小さまざまな25点が並ぶ。長く暮らしたニューヨークを抽象的に描いた作品が多く、画一で直線的な町並みからは文明批判の視点が垣間見える。

 同会の田口義明会長(73)は「木村さんは英語も分からずに単身で渡米し、名をなした。作品を鑑賞しながら、こういう人が逸見にもいたことを知ってほしい」と話していた。

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