小池都知事が特別顧問の都民ファーストの会「政府の水際対策は甘い」と異例の署名集め開始

小池都知事

小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が9日、オンライン署名サイト「change.org」で、「インド型変異株の流入拡大を防ぐために水際対策の強化を内閣総理大臣に求める」と題して、署名集めを始めた。

同党SNSや署名募集の告知では、「新型コロナウイルスのインド型変異株は、ワクチンという魔法の杖を真っ二つに折ってしまう可能性があることにもかかわらず、今年3月にインドからの入国が許された外国人は917名にのぼります! 国の水際対策によって日本全体が次なる危機に瀕するのではないかという危機感からこのキャンペーンを立ち上げました」としている。

菅義偉首相は7日に緊急事態宣言の延長を決めた際、水際対策の強化も明言。インドやパキスタン、ネパールからの入国者に3回の検査と入国後6日間の待機を命じ、10日から実施する。

それでも都民ファは「アメリカはすでに、14日間以内にインドに滞在した外国人やインド居住者の入国を禁止にした。(日本は)入国者の隔離期間を延長しても、機内で日本人帰国者や搭乗員が感染し、国内に持ち込んでしまう可能性も否定できません。また、検疫官が指定した宿泊施設への移動も、公共交通機関を使わない保障がなく、隔離期間の延長では流入を阻止できません」と指摘する。

それにしても小池氏が特別顧問を務める都議会与党が署名サイトで賛同を募り、政府に要求を予定するのは異例だ。

都民ファも「急を要する事案のため、政党としては異例ですが、このようなキャンペーンを展開することとしました」としたうえで、「5月中旬には要望と賛同署名を内閣総理大臣に提出したいと考えています。蛇口が閉まっていいないなかで、水槽の水を、都民、国民の努力だけで純化してくれと言われても、難しいのが現状です。国民のみなさまと力を合わせて、国の水際対策を厳重にしていけるよう、賛同をお願いいたします」と訴えた。

東京都と政府は大型商業施設への休業要請を巡っても対策が食い違うなど、関係はぎくしゃくしている。東京五輪の中止を求める声の高まりや都議選も控えている中での署名集めは、大きな波紋を呼びそうだ。

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