【クルマ用語解説】知っておくだけでクルマ通!ピラーの意味とは【初心者向け】

クルマの部位を差すときに、なかなか名称が出てこないってことありませんか?当記事では初心者の方へ向けて様々なクルマにまつわる用語を解説! 今回はピラーの意味をご紹介。

ホンダ 新型フィット ネス プロトタイプ試乗

ピラーとは屋根を支える部分の「柱」のこと

自動車のデザインや形状を語るときによく耳にする「ピラー」という言葉。自動車以外の話題ではあまり耳にすることのない用語ですが、果たしてどんな意味を持っているのでしょうか?

このピラー(Pillar)という言葉は、アメリカ英語で「柱」を意味する言葉であり、自動車で用いる場合もそのまま柱という意味で使われているのです。

自動車で言うところの「柱」はどの部分を指しているのか? というと、それは屋根を支える部分のこと。

クルマを真横からみると、下からボディとウインドウ、そして屋根という組立になっていることがお分かりになると思いますが、その窓のサッシの役目と共に、屋根を支えているということでピラーと呼ばれているというワケなのです。

ピラーは車体前方からA・B・Cと振り分けられている

ピラー解説図

なお、「Aピラー」「Bピラー」のようにピラーの前にアルファベットがつくケースもありますが、これはどの位置のピラーなのかを指しており、Aピラーであればもっとも車体前方の部分のことを指し、Bピラーであればボディ中央に存在する部分を指します。

Aピラーをフロントピラー、Bピラーをセンターピラーと呼ぶこともあります。

一般的なセダンでは後端のCピラーまでとなりますが、ステーションワゴンやミニバンではさらに後ろの部分にも柱があるため、ここをDピラーと呼ぶこともあります。

トヨタ カリーナED

90年代に流行したトヨタ カリーナEDを筆頭とした「ピラーレスハードトップ」というのは、Bピラーを廃した(レス)ボディタイプのことで、ボディ剛性の面では不利となるものの、窓を全開にしたときの圧倒的な解放感や、Bピラーがないことで得られるスタイリッシュなフォルムが人気となりました。

ちなみにピラーレスの車両であっても、後端の2本目のピラー部分をBピラーと呼ぶことはなく、前方のAピラーと後端のCピラーという呼び方は不変となります。

ピラーは強度と視界のバランスを考慮して設計されている

ホンダ フィット(4代目) FIT HOME(ホーム)[1.3L]

また特殊な例となりますが、4代目(現行型)のホンダ フィットはフロントに大きな三角窓を持ち、Aピラーが2本あるように見えますが、前方の部分は柱としての強度は有しておらず、2本目に見える部分が本来のピラーとしての役割を持っているため、ホンダでは前方のピラーのことを「A´ピラー」と呼んでいるんだとか。

このピラーは柱というだけあって、ボディの剛性には非常に大きな影響を与える部分ではありますが、この部分を太くし過ぎてしまうと今度は運転中の視界を遮ることにもなってしまうため、各メーカー強度と視界のバランスを考慮して設計されている部分ということになります。

マツダ ロードスターはAピラーのみ, ホンダ 初代シティカブリオレにはアーチ型のBピラーも
マツダ ロードスターはAピラーのみ, ホンダ 初代シティカブリオレにはアーチ型のBピラーも

屋根を持たないオープンカーでは、基本的にフロントウインドウを支えるAピラーのみの車種がほとんどですが、一昔前のルーフを備えた車種をベースとしたオープンモデル(ホンダ 初代シティカブリオレや初期のVW ゴルフカブリオレなど)は、ボディの強度をキープするためにアーチ型のBピラーを残した車種も存在していました。

このようにデザイン上のアクセントになるだけでなく、クルマを構成する骨格としても重要な意味を持つピラー。待ちゆくクルマを見る時は、ピラーの形状に注目してみるのも面白いかもしれません。

[筆者:小鮒 康一]

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