「菅義偉に試練の時が来た」中国メディア バッハ会長来日中止でも五輪に固執する日本政府批判

菅首相

中国メディアが、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の来日が見送られれば、東京五輪の開催中止への流れが一気に加速すると指摘した。

中国紙「環球報姐」は、東京五輪が目前に迫る中で日本の新型コロナウイルスの感染状況が悪化の一途をたどっている現状を特集。その上で「全世界が日本と〝ギャンブル〟するのだろうか。賭けに勝てば、この五輪は史上最大かつ特別な大会になるだろう。しかし賭けに負けた場合、結果は極めて悲惨なものになる。このリスクを冒すべきなのだろうか」と国民の安全を無視して開催強行へ暴走するIOCや大会組織委員会の無責任な姿勢を厳しく非難した。

そして今後は、17日に予定されていたバッハ会長の来日が、東京五輪開催の行方を大きく左右すると指摘した。

「バッハ会長の行動が静かに答えてくれることになる」と同紙。バッハ会長の来日を巡っては、新型コロナ禍の深刻化で見送られる方向となった。「その意味するところは、日本の流行は非常に深刻であり、IOCの人々はあえて来ないということだ。この緊迫した危機的な状況を受けて、IOCは〝撤退〟の決断をした。これにより間違いなく、より多くの人々が東京五輪の開催に対する自信を失うことになる」と鋭い論説を展開した。感染状況を危険視して1人の来日もままならない状況ならば、数万人の選手や関係者が来日する東京五輪の開催など夢のまた夢というわけだ。

そうした危険にもかかわらず開催を強行すれば、多くの国民の生命を脅かすことは間違いない。そして、そんな無謀な決断をすれば菅政権が吹っ飛ぶと同紙は切り込む。「日本政府はそんなに重い責任を背負うことができるのか? 菅義偉に試練の時が来た」。

中国からの指摘通り、バッハ会長の来日中止が東京五輪中止への序章となるのか注目が集まる。

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