シーズン60発男の昇格Xデーはいつになるのか――。移籍2年目を迎えたソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手(36)のファーム調整が続いている。開幕から不動の中軸だったグラシアルが8日の西武戦で右手薬指を剥離骨折するなどして離脱。大砲デスパイネも打撃不振から3日に出場選手登録を抹消されており、火力不足を補うにはバレンティンが適任と言える存在でもある。だが、腰の張りを訴えたため9日の昇格は実現しなかった。
工藤監督は「今、その話にはなってない。そういう(欠場している)選手をパッと上げたら『エッ?』となっちゃうじゃないですか。ちゃんと問題がなくなって(二軍の)試合で結果が出れば考えるということだと思います」と説明した。枠は1つ空いたままだが、まずは11日のロッテ戦に先発予定の武田が昇格する見込みとなっている。
昨季のバレンティンは打率1割6分8厘、9本塁打、22打点だった。ただ、現状は「打撃の状態は悪くない」(チーム関係者)とみられていた。打率2割1分4厘ながら10試合で5本塁打。二軍とはいえ31打席で3三振と好材料は多々あった。
そんな中でチームの大ピンチに何とも間の悪い事態となってしまった。首脳陣は状況に応じてDHを主力の半休養に充てることも戦略上重視しており、チャンスは多いようで少ない。そうこうしているうちに13日からはデスパイネが再昇格可能になる。
今月中旬以降にはキューバ勢が母国の五輪予選出場のためチームを離れる予定。そうなればさすがに出番が回ってくると思われるが、果たして。