最新!国会議員SNSメディア利用トップ20ランキング(Twitter・YouTube編)(中村よしみ)

最新!国会議員SNSメディア利用ランキング!トップ20(Twitter・YouTube編)

衆議院選挙の解散を控えた今年、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、ウェブサイトやSNSを活用した情報発信を強化していくために、政治のオンライン化するための動きが活発化しています。あわせて国家議員のメディア活用も日々変容しており、コロナによるオンライン化への動きは、選挙現場だけでなく日常的にも広がっています。

こうした背景を踏まえ今回は、日常時における全国会議員のアカウントを対象に、2回に分けて、以下の国会議員メディア利用調査を行いました。その中で、Twitter(Tweet数・Follower数)とYouTube(View数・Subscribe数)の数値をランキング形式で発表したいと思います。ネット上で最も影響力のある国会議員は誰なのでしょうか?

調査の概要

【対象】全国会議員のアカウントを対象に調査・集計

【集計基準】議員の肩書きで運営されているものを基準とする

【集計対象とするインターネットメディア】Twitter(Tweet数・Follower数)YouTube(View数・Subscribe数)

【データ集計期間】Twitter: 2020年12月8日時点/Twitter: 2021年4月25日時点・YouTube: 2020年12月9日時点/YouTube: 2021年4月25日時点

Twitter利用者におけるツイート数ランキング

まず初めに、国会議員Twitter利用者におけるツイート数の上位20名をリストにした結果は以下の通りになりました。

(青色は、2020年12月8日時点の結果、赤色は2021年4月25日時点の結果を示しています)

図1 国会議員Twitter利用者におけるツイート数上位20名のリスト

昨年の2020年12月時点においては、Tweet total数でみると立憲民主党の有田芳生氏が最も多く2009年12月の開設から、2020年12月時点まで約5万6千ツイート呟かれており、2位には共産党の木村伸子氏、3位には日本維新の会の足立康史氏、4位が立憲民主党の原口一博氏、5位が日本維新の会の音喜多峻氏の順となっていました。そして、2021年4月現在のランキングは、1−8位の順位は変化はなく、小沢一郎氏の順が17位から上昇しています。

結論としては、この数ヶ月の間では、ツイート数の上位20名の順位はあまり変化がありませんでした。こうした国会議員Twitter利用者データにおいては、自民党議員が支持を集めており、多くのフォロワーを持つ議員は、ほとんど50代以上であることがわかります。

Twitter利用者におけるフォロワー数ランキング

続いて、国会議員Twitter利用者におけるフォロワー数の上位20名をリストにした結果は以下の通りになりました。

(青色は、2020年12月8日時点の結果、赤色は2021年4月25日時点の結果を示しています)

図2 国会議員Twitter利用者におけるフォロワー数上位20名のリスト

フォロワー数の多さを参照すると、昨年の2020年12月時点においては、自民党の安倍晋三氏が最も多く2012年1月の開設から、2020年12月時点まで約230万フォロワーとなっており、2位には自民党の河野太郎氏、3位には立憲民主党の蓮舫氏、4位が自民党の佐藤正久氏、5位が自民党の菅義偉氏の順となっていました。そして、2021年4月時点の結果としては、フォロワー数が減少した議員もいましたが、全体的な順位の変動はあまり見えませんでした。

YouTube利用者における総視聴数ランキング

続いて、国会議員YouTube利用者における視聴者数の上位20名をリストにした結果は以下の通りになりました。

(青色は、2020年12月8日時点の結果、赤色は2021年4月25日時点の結果を示しています)

図3 国会議員YouTube利用者における総視聴数上位20名のリスト

昨年の2020年12月時点においては、総視聴数だと西田昌司氏が1位でしたが、前回2位だった自民党の青山繁晴氏がこの数ヶ月間で約98000視聴数を伸ばし、今回1位にランクインしています。そして、2位には自民党の西田昌司氏、3位には日本維新の会の足立康史氏、4位が日本維新の会の音喜多駿氏、5位が自民党の河野太郎氏の順となっていました。

青山繁晴氏が数ヶ月間で約98000視聴数を伸ばしたその理由を探ってみたところ、青山氏のチャンネルには様々な工夫がされていました。動画内のナビゲーターは、青山氏の公設第一秘書の女性が務め、毎回違った政治・社会系のコンテンツお題に対して青山氏が答えていくスタイルです。

動画一覧を見ていくと、番組風のキャッチーなサムネイルは思わずクリックしたくなる印象があり、政治に関心がない人でもわかりやすい見出しと言葉を選び、丁寧に作り込まれている様子が窺えます。更新頻度としては、毎週2−4本を更新するペースでここ数ヶ月を見ていくと毎週必ず更新されていました。YouTubeを活用する際は、一目でわかるテレビ番組の一部のような一貫性があるサムネイルの大切さが伝わるチャンネルです。

続いて、2位の西田昌司氏のチャンネルを覗いてみると、タイトルとサムネイルには同じく強烈なインパクトがあることがわかります。視聴者を惹きこむ鋭い言葉でトレンドの話題に対して物議を醸しながらも、現場の緊張感が伝わってくる動画でした。テレビでは取り上げない生の一次情報を交えて話していることからも、現場の政治家がマスメディアを介さないYouTubeやSNS等を通じて自らの声で情報発信することの重要さを感じます。

YouTube利用者におけるチャンネル登録者数ランキング

続いて、2021年4月時点の国会議員YouTube利用者におけるチャンネル登録者数上位20名をリストにした結果がこちらです。

図3 国会議員YouTube利用者におけるチャンネル登録者数上位20名のリスト

Subscribeの多い順にデータを参照すると、昨年2020年12月8日時点では、1位は、自民党の河野太郎氏で、YouTubeチャンネル登録数は群を抜いて189万と高い数値となっていました。2位は、自民党の青山繁晴氏でこの数ヶ月間で約98000視聴数を伸ばし1位にランクイン、3位には日本維新の会の足立康史氏、4位には自民党の西田昌司氏、5位が国民民主党の玉木雄一郎氏の順となっています。

1―5位までは順位変動はありませんが、前回に比べてどのアカウントも数値に伸び幅がありました。こうしたYouTubeの数値を見る限りでは、Twitterと比較した場合に、同じメディアでも数ヶ月間で数字が変動しやすいメディアなのかもしれません。

まとめ

調査結果として、Twitter、YouTubeアカウントのSNSメディアで国会議員の各数値を調査・比較してみたところ、Twitterでは全体的な数値の変動はあまり見えない一方で、YouTubeでは数値の大きな変動があることがわかりました。また、国民民主党と日本維新の会は、約8割の議員が1年以内にビデオをアップロードしていました。自民党議員は約4割の更新でしたが多くの所属議員がランクインしています。多くのランクインしている政党は、自民党が多くをしめており、数百万再生回数の動画をもつ議員もいれば長らくアカウントを放置している議員もいるなど、アカウントの使用状況には幅がありました。

このような結果から、同じ調査期間の間においてもTwitterとYouTubeでは視聴者数の伸びに違いがある=メディアによってユーザー数(または層)に偏りがある可能性が一つの仮説として浮かび上がります。そして、各議員はそのメディアの特性に応じて使い分けて、活用していました。こうしたメディアの特性の違いからも、政治家がメディア活用を行う際には、それぞれの立場にあった目的(局面)に応じて、適切なメディアのプラットフォームを選択することが重要であることがわかります。2000年前半まで中心であった、個人ウェブサイトであれば、熱量の高いユーザーでなければアクセス数に悩み、閲覧されにくい環境もあったでしょう。

しかし、こうしたソーシャルメディアを介して常時ユーザーと繋がっていることにより、政治家が伝えたい情報をダイレクトに伝えることができ、また継続的に接点を持ち続けることで政治家への興味関心度合いを引き上げることを可能とします。政治家を知ってもらうためのきっかけづくりから拡散に至るまで、SNSが最も得意とする領域なのは間違いありません。今後、ウェブから情報を入手したりといった動きが活発化していくコロナ渦中で、国会議員のSNS活用はどのように変容を遂げていくのでしょうか。引き続き国会議員のSNS活用状況をリサーチしていきたいと思います。

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