江口拓也◆「ソウエイの演技の幅はかなり広がったと思います」

2018年~2019年に第1期、今年1~3月には第2期第1部が放送され、高い人気を誇っているアニメ「転生したらスライムだった件」(以下「転スラ」)。今年4月からは、スピンオフとなる「転生したらスライムだった件 転スラ日記」(以下「転スラ日記」)がTOKYO MXほかで放送されている。そこで、両作品にソウエイ役で出演し、「転スラ」シリーズに長く携わっている江口拓也にインタビュー。本編とスピンオフの違いやアフレコの裏話などを聞いてみた。

――「転スラ」シリーズに出演されている中で、江口さんの元に反響は届いていますか?

「たくさん届いていて、すごいことだと思っています。ソウエイって第1期の時からそんなに出番は多くないですし、しゃべる機会も少ないんです。なのに、反響をいただけるということは、それだけたくさんの人にご覧いただけているということ。ありがたいです」

――本編の「転スラ」とスピンオフの「転スラ日記」は、雰囲気自体にも違いがありますよね。

「そうですね。そもそも、本編(「転スラ」)は第2期に入ってめちゃくちゃシリアスになっているんです。第1期では、“スライムとして異世界に転生した主人公のリムル(岡咲美保)が、日常を脅かされながらも仲間と楽しい日々を送る”といった物語でした。でも、第2期では、“リムルの仲間が増えたことで、その人たちをどうやって守るのか”という部分にフォーカスが当たっていて、生死に直結する殺伐とした展開になっています」

――確かに、見ているだけで苦しくなる展開もありました。

「その点、『転スラ日記』はギャグですから、どのエピソードもとっても平和ですよね。救われた人も多いんじゃないかなと思います(笑)」

――きっとそうですね! 7月からは「転スラ」第2期第2部がスタートしてまた苦しい展開もあるでしょうけど、「転スラ日記」が挟まることで息抜きができますね。

「放送のタイミング的に、ちょうどいいですよね。『転スラ日記』が平和であればあるほど、本編がめちゃくちゃ刺さってくるということもありますし…」

――そんな「転スラ日記」の平和な物語の中で、ソウエイの存在感は大きい印象です。

「本編では物語を動かさなければいけないので、キャラクター一人一人にフィーチャーするといったことはあまりありません。けど、『転スラ日記』ではキャラクターの日常に焦点が当たっているから、仲間同士のやりとりが多いんですよね。ソウエイもコンスタントに出番をいただいています。本編とはまた違った表情が見られると思いますよ」

――「転スラ日記」でソウエイを演じるにあたり、本編との違いはやはり感じましたか?

「はい。『転スラ日記』のアフレコが始まる時、“ソウエイというキャラクターを本編からどこまで外すか”ということを確認したくらいです。で、『もっと外しちゃって大丈夫です』と言われたところは振り切って、『そこは押さえましょう』と言われたら控えめにして、徐々にあんばいをつかんでいきました。そうすると、自分の中にも蓄積されるものがあるので、“こういうシーンなら振り切っても大丈夫そうだから、ちょっと変わったアプローチをしてみよう”と応用が効くようになるんですよ。おかげで、ソウエイの演技の幅はかなり広がったと思います」

――違いや変化を実感するだけでなく、幅まで広がったのですね。

「しかも、ほぼ毎週アフレコに参加していたので、自分の中でも役を固められている実感がありましたね」

――現在は感染対策として少人数でアフレコしているとのことですが、「転スラ日記」の現場ではどなたと一緒になることが多かったですか?

「基本的には、いっぱい掛け合う相手と一緒に録ることになるので、ベニマル役の古川(慎)くんやソーカ役の(大久保)瑠美ちゃんと一緒になることが多かったですね。感染対策もあって話に花を咲かせづらい環境ではあるんですけど、『他の現場はどんな感じ?』とか、雑談をすることはありました」

――せっかく共演していますし、できるだけコミュニケーションは取りたいですよね。できることなら、アフレコも全員でできるのが理想でしょうけど…。

「まぁ、そうですね。でも、この作品では二つのブースを使って収録していて、片方のブースに3人、もう片方に2人入れたから、同時に5人で掛け合うことができました。アフレコって、極端なことを言うと1人でもできるんですけど、相手と掛け合うことで生まれる化学反応って確実にあって、それが良い芝居につながると思うんです。だからこそ、僕自身は極力掛け合いたいですし、掛け合いが多ければ多いほどありがたいです。こんなふうに、最善の方法を取ってくださったスタッフさんたちには感謝しかありません」

【プロフィール】

江口拓也(えぐち たくや)
5月22日、東京都生まれ。双子座。B型。アニメ「聖女の魔力は万能です」(TOKYO MXほか)、「東京リベンジャーズ」(MBS、テレビ東京ほか)、「フルーツバスケット The Final」(テレビ東京ほか)などに出演中。

【作品情報】

「転生したらスライムだった件 転スラ日記」
5月18日
TOKYO MXほか
火曜 午後11:00~11:30

「転生したらスライムだった件」シリーズの人気スピンオフ。主人公のリムル(岡咲)が作り出した国・テンペストが主な舞台となっていて、テンペストに住むベニマル(古川)、シュナ(千本木彩花)、シオン(M・A・O) 、ソウエイ(江口)らの日常がにぎやかに描かれる。

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取材・文/松本まゆげ 撮影/為広麻里

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