秦野市が「移住お試し住宅」モデル事業 賃貸料2週間2万円想定 神奈川

秦野市内から臨む富士山

 神奈川県秦野市は2021年度に空き家を活用した「移住お試し住宅」のモデル事業を始める。コロナ禍でテレワークの導入が進むなど、地方への移住を選択しやすい環境も整ってきており、市は子育て世代を中心に、移住を促進する施策を強化する考えだ。

 市内の空き家を活用したモデル事業では、市が家族4人ほどで生活できる空き家1軒を選定。市への移住希望者に「お試し住宅」として賃貸し、2週間暮らしてもらう。市は21年度の一般会計予算に事業費447万円を計上している。

 対象となる空き家を20日まで募集しており、▽自然豊かな場所の一戸建て▽複数年の貸し付けが可能▽風呂やトイレなどの設備がある-ことを条件としている。市は借り上げ料を支払う。

 市はこれらの条件を満たす空き家1軒を選定して借り上げ、9月までに建物の修繕や庭の手入れ、通信環境の向上などテレワークに支障のないインフラ整備などを行う。並行して子育て世代などの移住希望者を募り、10月ごろから来年3月まで2週間をめどに貸し出すことにしている。賃貸料は2週間で2万円を想定している。

 市によると、テレワークの推奨などで、秦野への移住に関する問い合わせが増えているといい、「この機会に秦野の魅力を伝え、定住人口の増加につなげたい」としている。

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