“平和の火”灯すキャンドル 市民の願い、光に浮かばせ 長崎大学生らの平和グループ

キャンドルの光でメッセージを浮かび上がらせた配信動画の一場面

 長崎県内で東京五輪の聖火リレーが行われた8日、長崎大などの学生有志でつくる平和活動グループ「PeaceCaravan(ピースキャラバン)隊」が、「子どもたちにどんな未来を残したい?」の題で募ったメッセージをキャンドルで浮かび上がらせ、その様子をオンライン配信。“平和の火”をともした。
 環境問題などに取り組む全国九つの学生団体が共同で開く「2020キャンドルナイトリレー」の一環。核問題に興味を持ってもらおうと企画した。長崎開催は、岐阜に続き2カ所目。当初、東京五輪の閉会式が行われる予定だった昨年の「長崎原爆の日」(8月9日)に実施することにしていたが、新型コロナで五輪が延期となったため、今回に繰り延べた。
 メッセージはインターネットなどで募集。メッセージのヒントにしてもらおうと、4月から計3回、原爆の威力や現在の核情勢などについて、メンバーが発表資料作成ソフト(パワーポイント)を使ってオンライン上で説明。「将来に向けて夢や希望を持って暮らせる未来」「音楽がある世界」…など、日本語や英語で約50件が寄せられた。
 今月8日、同隊は、約60個のキャンドルをともす様子を写真共有アプリ「インスタグラム」で生配信。キャンドルは電池式で高さ約4センチ。紙に手書きしたメッセージをキャンドルに巻き付け点灯すると、温かなオレンジ色の光とともに、メッセージが浮かび上がった。視聴者からは「きれい」などのコメントが書き込まれた。「核兵器は本当になくせるか」などをテーマにしたメンバー同士による意見交換もあった。
 メンバーの長崎大環境科学部の筬島葵(おさじまあおい)さん(22)らは「オリンピックを入り口にこれまで核問題を知らなかった人たちへの広がりを期待している」「核兵器を“いる・いらない”の2択ではなく、新しい視点から、問題を自分のこととして考えてほしい」と話している。
 動画は同隊の公式インスタグラムで閲覧できる。

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