山北町議会は12日の臨時会で副議長選挙を行い、得票同数で並んだ立候補者2人のうち1人が選挙後に辞退を申し入れる事態が起こった。
しかし、町議会事務局から認められず、くじ引きで別の候補者が副議長に選出された。
辞退を申し入れた町議は「くじ引きで決めるのは切なすぎたから」と不満げだった。
副議長選にはいずれも無所属の清水明氏(71)と石田照子氏(66)が立候補。投票の結果、7票ずつで並んだ。
地方自治法と公職選挙法は得票数が同じ場合、くじ引きで当選者を決めるとしている。
しかし、1期目の清水氏は議場で「石田氏の方がふさわしいので辞退する」と宣言、3期目の先輩に譲ろうとした。
異例の展開に議会は一時中断したが、議会事務局は「投票した議員の意思を尊重しなければいけない」と辞退を認めなかった。
清水氏は「本当はもう一度、選挙で決着したかった。投票してくれた議員の意思をないがしろにするつもりではなかった」と釈明していた。