【追う!マイ・カナガワ】エスカレーター「片側空け」に声続々 駅構造や心理面も影響?

「2列でご利用ください」と注意書きが掲示された駅のエスカレーター=横浜市中区

 エスカレーターの「片側空け」の背景や課題を取り上げた「追う! マイ・カナガワ」(10日配信)の記事に、読者からさまざまな意見が寄せられた。歩行者とぶつかるなど事故にもつながる片側空けがなくならない要因として、意識の持ち方だけでなく、駅の構造や、見知らぬ人と隣り合わせになる心理面の影響を指摘する人も。毎朝の通勤ラッシュがある限り変わるのは難しいとの声もあった。

◆痛みが、通勤事情が…

 片側空けにはさまざまな要因があるとはいえ、障害のある人にとっては切実な問題だ。つえを使っている神奈川県大和市の事務職の女性(50)は「ドスドスと音を立て、揺らしながら右側を歩いていく人もいて、全身に響くほど痛みを感じることもある」と恐怖をにじませた。

 左半身まひで右手しか使えないなどの事情で、片側にしか立てない人がいることを初めて知ったという横浜市青葉区の男性会社員(49)もいる。一方で駅の構造についても触れ、「よく利用する出口や乗り換え口に向かう場所にはエスカレーターしかないことが多く、地下鉄のエスカレーターはとんでもなく長い。ラッシュ時にはじっとしていられない」とこぼす。県内に住む男性会社員(60)も「日本の通勤事情では電車の乗り換え時間に余裕がなく、急がなければいけない人も多い」と指摘し、「歩く側」の事情をのぞかせた。

◆早く行動すればいい

 東京都の男性(69)は、2列での利用が広がらない理由として「隣に人が来てほしくない」という心理が影響していると推測。「他人を警戒する人が多い日本では、エスカレーターは1人乗り用にすることが現実的な解決策」と提案した。

 16年前に大分県在住だったという川崎市宮前区のパートの女性(54)は「当時、エスカレーターで歩く人はほとんどいなかった。関東に来て、右側を空ける習慣があると聞き驚いた」とし、「歩いてもじっとしていても、1分と違わないはず。あと少し早く行動すればいい」と訴えた。

■取材班から

 エスカレーターを歩くことは「なんとなく危ない」と理解しつつ、やめられない人が多いのでは。たくさん寄せられた投稿からも関心の高さを感じます。実際に身の危険を感じている人の声をまずはしっかりと受け止め、通勤ラッシュなどの事情も踏まえつつ、解決策を探りたいものです。

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