V長崎「勝ちへの近道」 ゾーンで守備再構築 攻撃、ゴールに向かうプレー必要

布陣の変化

 ワントップを好んだ吉田前監督に対し、松田監督は「4-4-2」を基本に戦っている。「無失点でゲームを進める。そして先制していくという形を習慣化することが勝ちへの近道」という考えの下、守備の再構築を進める。
 注力するのは、松田監督の代名詞でもある「ゾーンディフェンス」の落とし込みだ。人よりもスペースを意識して守り、味方が動いて生じたスペースは、別の誰かが埋めるという考え方。連動性が不可欠となるため、いくつかの決まり事を設定して選手間の意思統一を図っている。セットプレーもマンマークからゾーンに切り替えた。
 攻撃面はより狙いが明確になった。「これまでポゼッションのみになっていた。ダイレクトプレー、ゴールに向かうプレーが点を取るためには必要」。速攻や縦向きのパス、サイド突破を意図的に増やしている。
 北九州戦はポストプレーに強い都倉を起用し、万能型のエジガルジュニオとツートップの関係性だけでシュートに持ち込む場面をつくった。都倉はセットプレーの守備でも重要な役割を担う。センターバックはフィード力が高いフレイレと江川を並べ、攻守のバランスが取れる加藤大を先発させたのも象徴的だ。


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