韓国ドラマの出演者自身がOSTに参加することもあります。
元祖韓流スターのリュ・シウォンやアン・ジェウクなど歌唱力に優れた俳優は、自身の出演作で歌っていたほか歌手としても活動していました。俳優自らが歌うことは話題性を高めることもありますが、何より主人公の心情を表現することに効果的です。
2011年に韓国で放送された「ドリームハイ」は、芸術学校が舞台ということで、アイドルや歌手も多数出演しましたが、当時新人だった主演のキム・スヒョンがOSTに参加。その後も、自らの歌声で出演作に花を添えています。
2013年に放送された「相続者たち」では、現役アイドルが多数出演しているにも関わらず、主演のイ・ミンホとパク・シネがそれぞれの役どころをイメージした楽曲を歌っています。
このように俳優がOSTに参加することは珍しいことではなく、チ・チャンウク、パク・ボゴム、ヒョンビン、パク・ソジュン、イ・ジョンソクら人気俳優たちもOSTに参加しています。
韓国ドラマのOSTは、様々なジャンルの楽曲が一度に楽しめ、音楽性にも非常に優れた存在です。参加するアーティストも、大御所からインディーズ、アイドルから俳優まで、幅広く起用され、その時代の音楽シーンを凝縮した存在となっています。韓国のエンタメ産業にとっても、それだけ重要な地位を占めているのです。
TEXT:菊池昌彦(フリーライター)
Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)