岩塚製菓株式会社(新潟県長岡市)が2021年3月期決算(連結)を発表、当期利益は過去最高

岩塚製菓株式会社(新潟県長岡市)は13日、2021年3月期決算(連結)を発表した。

米菓業界においては、2021年3月期の期首こそ巣ごもり消費による需要増が見られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことに伴い、市況悪化や競争激化が顕著となったうえに、観光土産品やインバウンド需要なども回復が見込めるまでに至らず、期の後半になるにつれ事業環境の厳しさが増したという。

こうしたなか、特にコンビニエンスストア向けが伸び悩み、売上高は221億6,700万円(前年比△2.9%)と減収を余儀なくされた。営業利益は、集中生産などによる製造原価の低減に加え事業設備の減価償却方法を定額法に変更したプラスの影響があったものの、競争激化により販促費が高止まり、1億8,100万円(同4.4%増)を計上するに留まったという。ただ、保有するWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.からの株式配当金25億9,500万円を営業外収益の受取配当金に計上し、経常利益は29億3,800万円(同15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億500万円(同13.4%増)と過去最高となった。

一方、2022年3月期(今の期)は売上高197億円、営業利益2億円、経常利益23億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円を見込んでいる(※2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を適用するため、対前期及び対前年同四半期増減率は記載していない)。

具体的には、同社のTOP6ブランドに、強みのもち商品「黄金揚げもち」を加え、TOP7ブランドとして岩塚製菓ブランドの強化を図っていくという。

また今年3月に稼働した「長岡新工場」内に株式会社瑞花を移転し、株式会社新潟味のれん本舗、里山元気ファーム株式会社とともに集約し、岩塚グループシナジーの強化を図る。

決算資料に記載はないが、説明会での説明によると、中ロットの製造が可能でPB商品や企業のノベルティ開発などを行なっていく「BEIKA Lab」では、前期落ち込んだコンビニ向けPB商品の開発を急ぎたい方針という。

また、コロナ禍で2年前に始めた米国市場の開拓が進なない状況にある一方、今期に入りWANT WANT(旺旺)グループのネットワークを活用し台湾での商品販売を開始。今期は数千万円程度の売上高を見込んでいるという。

このほか、旺旺・ジャパン株式会社が日本国内で、WANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITEDのミルクドリンクのオンライン販売を開始したところ、日本国内に住む中国人に好評を得たという。

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