苦節6年、神奈川・真鶴のイワガキが初出荷 町民試食会も

初出荷のイワガキ「鶴宝」=13日、真鶴町真鶴

 真鶴町の水産業を強化して観光資源につなげようと、県内で初めて完全外洋養殖で育てたイワガキが13日、初出荷を迎えた。

 地元漁師らが6年間かけて養殖試験を繰り返してきたイワガキは、新型コロナウイルスの影響で出荷が1年延期されていた。待ちに待った船出に同町は「真鶴の新ブランドとして誇れるイワガキにしていきたい」と意気込んでいる。

 同町産のイワガキ「鶴宝(かくほう)」は、島根県海士町から技術支援を受け、2015年に養殖試験を開始。若手漁師や町などが連携して夏が旬の生食用カキ作りに力を入れてきた。21年3月には会社「岩ガキBASE」(真鶴町岩)を設立し、今後は町内を中心に本格出荷を目指す。今年は5万個をめどに出荷、来年以降は数を増やす見込みという。

 同社の皆木孝行代表(39)は、カキの殻に付くフジツボの除去や夏季の台風対策、新型コロナ禍で出荷見込みが難航したことを振り返り「出荷日を迎えられひと安心。リピーターができたらうれしい」と期待する。

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