「津波災害の教訓語り継ぐ」 島原大変の犠牲者供養祭 

「島原大変」の犠牲者を供養した慰霊祭=南島原市、しらはまビーチホテル

 1792(寛政4)年に起きた火山災害「島原大変」の犠牲者を追悼する供養祭が12日、長崎県南島原市口之津町の白浜海水浴場そばのしらはまビーチホテルで営まれた。
 島原大変は雲仙・普賢岳の噴火活動に伴う地震で眉山(島原市)が崩壊。有明海に流れ込んだ土砂で津波が発生し、約1万5千人が犠牲になったとされる。
 供養祭の発起人、寺田喜三代表(89)によると、約36キロ離れた現在の同海水浴場周辺にも多くの遺体が漂着。後年、地元有志で遺骨を集め、1978年に同海水浴場近くに「殉難死者無縁精霊供養塔」を建立し、島原大変のあった旧暦の4月1日前後に地元住民で供養している。
 毎年、供養塔の前で行われていたが、今回は雨のため屋内に祭壇を設置。読経の後、住民や松本政博市長ら参列者18人が焼香し、冥福を祈った。寺田代表は「災害の教訓を地域で語り継いでほしい」と語った。

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