若かりし頃の3人兄妹と父親 30年以上前に制作された映画の映像で表現 「海辺の家族たち」本編映像

ロベール・ゲディギャン監督作「海辺の家族たち」から、歳を重ねた3人兄妹と父親の若かりし頃を描いた本編映像が公開された。

公開された本編映像では、車に乗った4人が音楽を流しながら楽しそうに海へ向かう姿から始まる。到着した港には“遊泳禁止”の看板が出ているが、4人はふざけ合いながら次々とお互いを海に突き落としていく楽しげに遊ぶ姿が映し出される。

この回想シーンは、俳優に似た若い俳優が演じているのではなく、30年以上前に本人たちが演じた映像が使われている。本作の監督であるロベール・ゲディギャンが手掛けた「Ki lo sa?」(1986)から抜き出されたもので、地元フランス・マルセイユで同じ俳優を使って長年映画を撮り続けてきたロベール・ゲディギャン監督ならではの映像となっている。

「海辺の家族たち」は、父との最期の日々を過ごすため、かつての別荘地のにぎわいを失ったマルセイユ近郊の海辺の家に集まった3人の子どもたちが、過去にとらわれて絆を見失い、明日へと踏み出せない中、漂着した難民の子どもたちとの出会いによって人生を変えていく物語。自身が生まれ育ったマルセイユを舞台に、労働者階級や移民など社会的弱者の人生を温かなまなざしで見つめ続け、「フランスのケン・ローチ」と評されるロベール・ゲディギャンが、監督を務めている。

【作品情報】
海辺の家族たち
2021年5月14日(金) キノシネマみなとみらい・立川・天神 ほか全国順次公開
配給:キノシネマ
© AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016

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