孔子廟の土地使用料減額求める 所有者の久米崇聖会が那覇市に意見書

 那覇市は13日、久米至聖廟(孔子廟)に関する土地使用料の全額免除を取り消すことについて、所有者の久米崇聖会から意見聴取(聴聞)した。久米崇聖会は他自治体の事例などを根拠に、免除を全て取り消すのではなく一部免除すべきだとの意見書を出した。

 久米崇聖会が松山公園に建設した孔子廟について、市は2011年3月末から23年3月末までの土地使用料を全額免除している。孔子廟のための土地の無償提供は違憲とする最高裁判決を受け、市は免除を全て取り消す方針だ。

 久米崇聖会は意見書で、市が孔子廟の観光資源としての意義や歴史的価値を認めてきたことから、市公園条例における、使用料を免除する「市長が特に必要と認める場合」に当たると訴えた。他自治体で非営利施設の使用料を約25~50%に減免していることから、孔子廟も「少なくとも約3分の1にまで使用料を減額すべきだ」と主張した。

 使用料を無料とする市の見解を信頼し、同会が多額の建設費を投入したと説明し、「見解を翻すことは信義則に違反する」とも訴えた。

 今後、聴聞の主宰者である市法制契約課が調書を作り、それを踏まえて市公園管理課が使用料免除取り消しについて判断する。

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