「さっきの男はどこだ?」 ”認知症”A・ホプキンス 事実と幻想が混濁 「ファーザー」本編映像

アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した「ファーザー」から、アンソニー・ホプキンス演じるアンソニーが、事実と幻想をますます混濁させていく様子を描いた本編映像が公開された。

目の前にいる見知らぬ女性に対し、夫について聞くアンソニー。だが、目の前のいる女性からは、5年以上前に離婚して夫はいないことを告げられる。先ほど男がチキンを持っていったの認識しているアンソニーは混乱し、男の姿を探しキッチンへ移動するが、そこには誰もいない。「さっきいた男が消えた」といら立ちをあらわにするアンソニーに、思わず笑い声を上げる女性。アンソニーは「おまえの夫だ、なぜ笑う?」と語気を荒げる。アンソニーの迫力に、女性は「何でもない 悪かったわ」と謝るのだった。

「果たしてチキンを持っていった男性とは?」「目の前にいる女性は何者なのか?」。アンソニーの中で、事実と幻想が混濁する様子が描き出されている。

「ファーザー」は、歳を重ねることによって誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描いた作品。フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞した、フランス人の劇作家フロリアン・ゼレールの舞台を原作としている。原作舞台は、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30カ国以上で上演され、日本でも2019年に橋爪功、若村麻由美によって上演された。映画化にあたっては、ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンを取っている。本年度アカデミー賞で、アンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞したほか、脚色賞を受賞した。

【作品情報】
ファーザー
2021年5月14日 TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
配給:ショウゲート
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