プーホルスがウエーバー通過でFAに 獲得球団は現れるのか

日本時間5月14日、エンゼルスからDFAとなっていたアルバート・プーホルスが正式にフリーエージェントとなった。プーホルスがDFAとなってエンゼルスのロースターの40人枠から外れたのは同7日。そこから7日間、他球団はトレードまたはウエーバーでプーホルスを獲得することが可能だったが、ウエーバーで獲得した場合、プーホルスの今季の残り年俸を負担する義務が生じるため、当然ながら獲得に動くチームは現れなかった。

プーホルスはエンゼルスと10年2億4000万ドルの超大型契約を結んでいたが、エンゼルスからリリースされてフリーエージェントとなったことにより、エンゼルス在籍期間は正式に終了。現役続行を望むプーホルスは今後フリーエージェント選手の1人として新たな所属チームを探すことになる。なお、今季の残り年俸の支払い義務はエンゼルスにあり、他球団はメジャー最低保証年俸でプーホルスを獲得することができる。

プーホルスはエンゼルスで過ごした10年間で1181試合に出場し、打率.256、222本塁打、OPS.758を記録。シーズン100打点は4度記録したが、シーズン40本塁打は1度だけ、OPSが.900を超えたシーズンは1度もなく、超大型契約に見合う活躍はできなかった。なお、メジャー1年目から10年連続で「打率3割・30本塁打・100打点」をマークするなど、カージナルスでプレーした11年間では1705試合に出場して打率.328、445本塁打、OPS1.037、MVP3度、世界一2度など輝かしい実績を残している。

通算667本塁打は歴代5位、通算3253安打は歴代13位の大記録であり、現役引退後には有資格1年目でのアメリカ野球殿堂入りが確実視されている。また、通算3000安打と500本塁打の両方を達成しているのは、ハンク・アーロン、アレックス・ロドリゲス、ウィリー・メイズ、ラファエル・パルメイロ、エディ・マレー、プーホルスの6人だけである。

プーホルスはレギュラーとしての出場機会を求めているとみられるが、2016年を最後に平均以上のOPSを記録していない41歳の一塁手をレギュラーとして獲得するチームが現れる可能性は低い。今季は打率.198、5本塁打、OPS.622という不振のなかでも左腕にはOPS.878と上々の数字を残しており、「対左腕用の一塁手または指名打者」もしくは「代打要員」という役割を受け入れるのが現役続行への近道となるだろう。

カージナルスが今季の開幕ロースターにプーホルスと同じ「右打ちの一塁手」であるジョン・ノゴウスキーを入れていたことを考えると、カージナルスの「背番号5」が10年ぶりの復活する可能性もゼロではないのかもしれない。今後の動向に注目したい。

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