アパート外階段崩落死亡事故の物件を施工した業者が破産申請

 (株)則武地所(TSR企業コード:363907270、法人番号:2021001046978、相模原市中央区相模原2-11-27、設立2011(平成23)年12月、資本金500万円、佐野由美子社長)は5月13日、横浜地裁相模原支部に破産を申請した。申請代理人は伊藤信吾弁護士(弁護士法人相模原法律事務所、相模原市中央区富士見6-6-1、電話042-756-0976)。
 負債総額は4億418万円(2020年4月期決算時点)。

 神奈川県の県央地区や東京都八王子市などを対象エリアに展開する建築工事業者。近年は地主の資産運用としてニーズが高い共同住宅を主体に建築工事を請け負っていた。2015年4月期は売上高6億5970万円だったが、需要増を追い風に2017年4月期は売上高20億5104万円にまで拡大していた。
 しかしその後、関連業界での不正融資問題や施工不良問題が社会問題化するなどしたことから、受注環境が次第に悪化。2020年4月期は売上高9億7848万円に落ち込み資金繰りもひっ迫、2020年には取引先に対する報酬未払などで訴訟問題を抱えていた。
 こうしたなか2021年4月、当社が施工した八王子市内のアパートの外階段が崩落して住人が死亡する事故が発生。5月2日には警視庁より業務上過失致死容疑で当社と関係先が家宅捜索を受け、注目が集まっていた。

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