経済誌フォーブスの“2020年世界で最も稼いだアスリート”ランキングにおいて、7冠王者ハミルトンが8位に

 アメリカの経済誌『フォーブス』によれば、昨年F1ドライバーのなかで最高額を稼いだのは7度の世界王者であるメルセデスのルイス・ハミルトンだったが、彼は同時に2020年度に最も稼いだスポーツ選手トップ10にもランクインした。

 新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックにより、昨年は世界中が、そして多くのプロスポーツ選手たちが停滞を余儀なくされたが、トップアスリートたちの収入スイッチがオフになることはなかった。

 それどころか、スポーツ界における一流スターたちの収入は、2019年と比べて昨年のほうが増えていたのだ。フォーブスが契約料、賞金、スポーツ以外で得た収入を合算した結果、過去12カ月間に世界で最も高額を稼いだアスリート上位10人の税引き前総収入は合計で10億5000万ドル(約1150億5900万円)に達し、前年の合計額より28%増加した。

 収入ピラミッドの頂点に立ったのは、2020年度に1億8000万ドル(約197億2400万円)という途方もない額を稼ぎ出したアイルランド人でUFCの格闘家、コナー・マグレガーだった。

 ただしここにはキャッチ(落とし穴)も潜んでいる。いや、マグレガーの場合パンチと言うべきか。彼の収入の大半は、ウイスキーのブランドである『プロパー・ナンバー・トゥエルブ』の保有株式を1億5000万ドル(約164億3700万円)でプロキシモ・スピリッツ社に売却したことによるものだ。

 2020年度長者番付表彰台の残りは、サッカー選手のリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが占めた。収入はそれぞれ1億3000万ドル(約142億4500万円)と1億2000万ドル(約131億5000万円)だった。

 NFLダラス・カウボーイズのスター選手、ダック・プレスコットが1億750万ドル(約117億8000万円)で4位に、その次にはNBAのレジェンドで昨シーズンは9650万ドル(約105億7400万円)を稼いだレイカーズのレブロン・ジェームズが入った。

 ブラジルのストライカー、ネイマールが9500万ドル(約104億1000万円)でランキング6位につけた一方、プロテニス選手のロジャー・フェデラーはひざの故障で昨年のほとんどを棒に振ったにも関わらず、口座残高を9000万ドル(約98億6200万円)増やした。

 このあとに続くのが、我らがサー・ルイスだ。メルセデスとの推定契約料4500万ドル(約49億3100万円)に他の収入も加わった結果、総収入8200万ドル(約89億8600万円)で8位にランクインした。

 2020年シーズンはレース数が予定よりも少なかったため、メルセデスはドライバーの契約料を20%削減したと噂されているが、フォーブスがこれを計算に入れたかどうか定かではない。

 いずれにしても、ハミルトンの収入にはグランプリ11勝で獲得した賞金だけでなく、トミーヒルフィガー、モンスターエナジー、プーマから得た多額のスポンサー契約料も含まれるとフォーブスは考えている。興味深いことに、もしもフォーブスが“フィールド上”の収入だけでアスリートたちを比較した場合、ハミルトンはメッシ、プレスコット、ネイマールに続く4位に入るはずだった。

2021年F1第4戦スペインGP表彰式 優勝ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2021年F1第4戦スペインGP 通算100回目のポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)

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