「専門家からより厳しい対応が必要との考えが示された。政府としても感染を食い止める大事な時期という考えに変わりはない」
14日の記者会見で、菅義偉首相は開口一番、そう訴えた。専門家の意見を尊重したと強調することで「後手後手」との政府のコロナ対応への批判を避ける狙いもあったとみられる。
局面打開の決め手として挙げたのはワクチン接種。「一人一人の命を守る切り札になるものだ。一日も早く安心できる日常を取り戻すために、接種を加速させていく」と力を込めた。
質疑では政府の感染拡大への見通しの甘さについて問われたが、正面から答えずに「専門家の意見を聞いて適切に対応してきた」とかわした。
東京五輪・パラリンピックを取材する海外メディアの行動管理については「接触自重の指示に従わない場合には強制退去もある」と踏み込んだ。
終盤、司会役の内閣広報官が強制的に会見を終えようとした際、首相が手で制して質問に応じる場面もあったが、会見は1時間足らずで打ち切られた。