ボクサーの脳、試合前に運動回路増強 群馬大学など発見

プロボクサーの脳内の運動回路が試合前、構造的に増強することを、群馬大学、帝京大学、自然科学研究開発機構生理学研究所、東京大学が発見した。試合前の減量で体のキレが良くなるといわれてきたことの証明と考えられる。

研究チームは現役のプロボクサー21人に対し、試合の1カ月前、試合直前、試合の1カ月後に脳のMRI(核磁気共鳴画像法)で画像撮影を行い、その変化を観察した。

それによると、脳内で運動の学習と習熟を担う運動回路のうち、線条体被殻から第一運動野にかけての構造的なつながりが、試合の1カ月前から直前にかけて優位に強化されていることが分かった。試合後は構造的なつながりが縮小していた。

アスリートの間では、試合前に減量トレーニングをすると、余分な体の脂肪が落ちるだけでなく、体のキレが良くなると経験的に語られてきたが、研究チームはそれを科学的に証明する結果が出たとみている。

人間の脳は学習や環境によってその機能と構造を変化させることが知られている。近年はその変化をMRIで撮影することにより、捉えることが可能になっており、今回の研究成果は試合前の減量トレーニングが脳に与える影響を画像で明らかにした。

論文情報:

【Scientific Reports】Enhanced structural connectivity within the motor loop in professional boxers prior to a match

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