自身の両親との実体験を脚本に 「幸せの答え合わせ」ウィリアム・ニコルソン監督インタビュー

6月4日に劇場公開される、アネット・ベニング、ビル・ナイ、ジョシュ・オコナーの3人がリスタートする家族を演じる「幸せの答え合わせ」から、監督・脚本を務めたウィリアム・ニコルソンのオフィシャル・インタビューが公開された。

「グラディエーター」でアカデミー脚本賞を受賞したウィリアム・ニコルソン。本作では、自身の両親との実体験をもとに脚本を書き上げ、自ら監督も手がけた。結婚29年目に夫の方から別れを切り出す夫婦と息子の姿を描き出している。

ニコルソン監督の作品に込めた思いは強く、「この題材について書こうと執筆に取り組み始めたら、さまざまな感情が込み上げてきた。この物語には感情的な場面がいくつかあるが、その一部は実際に僕と僕の両親の身に起こったことだ。しかも僕は両方の味方という複雑な立場にいた」と語っている。

また、熟年離婚は成人した子供にも影響を与えると指摘。「多くの人は両親が離婚すると、幼い子供は傷つくが、成人した子供にはあまり影響がないと考えているけれど、それは違う。成人した後に両親が離婚すれば、子供は幼少時代の自分の原点を疑わざるを得なくなる。この映画は人間関係の中で、人々が背負う負担について、特に親が子供たちに知らず知らずのうちに背負わせているものについて描いている」と明らかにしている。

脚本だけではなく監督も手がけることになった理由については、「映画を作るのは、監督であって脚本家ではない。僕が書いた脚本が素晴らしい作品になった時もあったが、失望したこともあった。でも本作に関しては、絶対に失望したくなかった。それで自分で監督した方が良いと考えたんだ」と語っている。また、本作を「苦しむ母親と彼女を支える優しい息子というような単純な話ではない。息子自身も自分の過ちに気づく。不つり合いな両親のもとで育ったゆえに、人との親密な関係が苦手で他者とうまく関係が築けないんだ」と解説している。

アネット・ベニング、ビル・ナイ、ジョシュ・オコナー3人の出演者については、「この3人の素晴らしい俳優たちの最高の演技が生み出す効果を目撃すれば、観客は圧倒されるに違いない」と胸を張った。

【作品情報】
幸せの答え合わせ
2021年6月4日(金) キノシネマみなとみらい・立川・天神 ほか全国順次公開
配給:キノシネマ
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