姫川で水防訓練 糸魚川・上越・妙高3市合同 コロナ感染対策施し 169人参加

 5月の「水防月間」に当たり、姫川水防訓練(関川・姫川水防連絡会主催)が16日、糸魚川市寺島の姫川右岸堤防・河川敷で開かれた。上越3市の消防団・関係行政機関から、本部役員を含む計169人が参加。強い風雨の中、堤防の決壊や越水を防ぐ各種水防工法を実施し、実働を確認した。

糸魚川、上越、妙高の3市消防団が展開した「木流し工」

 合同訓練は関係9機関で組織する同連絡会(事務局、国土交通省高田河川国道事務所)が毎年、梅雨・台風などの本格的な出水期を備え、関川、姫川で交互に実施している。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大のため中止。今年度は一般見学を実施せず、参加人数を制限するなど感染防止対策を講じて行った。

 実働訓練には、3市の消防団員ら154人が参加した。「木流し工」(糸魚川市消防団、上越市消防団、妙高市消防団)を皮切りに「シート張り工」(糸魚川市消防団)、積み土のう工(上越市消防団)、改良積み土のう工(糸魚川市消防団)、月の輪工(上越市消防団)、水難者救助訓練(糸魚川市消防本部)、三角水のう(リバーテクノ研究会)の順に展開した。強風のため、大型ブロック投入工(高田河川国道事務所)と大型土のう投入工(県糸魚川地域整備部)は中止した。

糸魚川市消防団による「シート張り工」
上越市消防団による「積み土のう工」

 

水防工法巡閲では、本部役員が各工法を視察した。会場市の米田徹・糸魚川市長は、日頃の協力、尽力に感謝し「真剣で緊迫感あふれる訓練を拝見し、大変心強く思う」と講評。近年の異常気象、7・11水害など過去の大災害を踏まえ「この訓練を契機に、関係機関との連携を密にし、さらなる防災体制の強化を図り、安全安心な地域づくりに全力で取り組む」などと誓った。

本部役員による水防工法巡閲

 同連絡会会長の堀尚紀・高田河川国道事務所長は「コロナ禍でも災害は発生する。感染防止を徹底した上で、訓練が実施できた」と今回の意義を話した。

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