株式会社ナガオカ・リコー(新潟県三条市)が感染予防商品として銅繊維を織り込んだタオルの完成を同市の滝沢市長へ報告

左から、株式会社ナガオカ・リコーの長岡信治代表取締役、三条市の滝沢亮市長、商品開発に携わったナガオカ・リコーの篠沢将貴さん

新潟県三条市の感染症対策製品開発支援補助金を活用し、銅ファイバーを使用した高抗菌タオルを開発した株式会社ナガオカ・リコー(新潟県三条市)の長岡信治代表取締役が17日、同市の滝沢亮市長へ製品完成の報告へ訪れた。

ナガオカ・リコーは同市のコデラカプロン株式会社と2020年夏頃から共同開発を開始し、銅ファイバーを織り込んだハンドタオルとロングタオルを5月初旬に販売開始。製品に使用されている銅ファイバーは三条市で加工されたもので、その髪の毛の3分の1から3分の2ほどという細さから、一般的な銅ファイバーと比較しても非常に高い抗菌作用を発揮するという。

銅ファイバーを使用したタオルとマスクフィルター、携帯浄水器をセットにした商品も展開されている

タオル2種に冠した「ニヌルタ」という商品名は、古代メソポタミア神話の銅と大地の神の名前に由来する

コデラカプロンではこれまでにも、縫い付けることでマスクの抗菌効果を向上させる「マスクフィルター」や、水道水中の塩素の除去を目的とした携帯用浄水器に銅ファイバーを利用してきているが、今回の新製品は同社にとって「布」という新たな分野であり、台拭きなどの日用品からスポーツ目的など非常に幅広い用途に使用されるものであることから、より汎用的で広い需要の獲得が期待される。

ナガオカ・リコーの長岡代表は抗菌効果などの他にも、今治の綿製タオルを使用した肌触りや吸水性などタオルとしての品質にも自信があると語り、滝沢市長も製品を手にとってその肌触りの良さに言及したほか、洗濯への耐久性など具体的な利用方法について訊ねていた。また滝沢市長は「つい先日の『鉄アイス』もそうだが、(既存の金属加工とは異なる)時勢にあった様々な形のものづくりが数多く生まれ、製品化されていることに嬉しく思い、市としてこれからも協力していきたい」と期待を示した。

今後ナガオカ・リコーでは、銅ファイバーを使用した布製品を、さらに衣服などへ展開していく構想もあるという。

滝沢市長へタオルの性能について説明する長岡代表

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