被爆者の肖像写真60点を展示 浦上キリシタン資料館

展示中の大石さんの作品を紹介する岩波館長=長崎市、浦上キリシタン資料館

 長崎の被爆者らを撮影したドキュメンタリー写真家、大石芳野さん(東京)の写真集「長崎の痕(きずあと)」の写真展が、長崎市平和町の浦上キリシタン資料館で開かれている。被爆者の肖像約60点を展示。無料。8月末まで。
 大石さんは国内外で戦争の傷に苦しむ人々の姿を撮影。1997年から長崎を訪れ、被爆者を取材している。約130人の肖像を中心に、モノクローム約220点を収めた同写真集を2019年に出版。同年に東京や大阪、長崎市で写真展を開いた。
 今回は写真集に感銘を受けた同館の岩波智代子館長(73)が、大石さんに依頼。キャプション付きの収載作を大型パネルで並べている。岩波館長は「大石さんの作品では被爆者の目が優しい光を宿している。重たい十字架を背負いながら、柔らかく生き生きとした表情を見てほしい」と話す。

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