肝いりのワクチン予約サイトに致命的欠陥発覚「適当に数字を入力して予約可能」

17日、政府がワクチン接種体制構築の目玉として東京大阪に来週より設置、運用開始する「大規模接種センター」の予約がこの日より始まったが、予約サイトでは市区町村コード、摂取券番号ともに適当に虚偽の数値を入力しても予約可能であることが発覚した。これでは悪意のある第三者が架空の番号を入力し枠を埋めてしまうことも可能な状態で、二重予約が可能であることとはレベルの違う致命的欠陥と言わざるを得ず、早急な対応が求められる。

現在も虚偽の数値を入力して予約可能な状態

 政府肝いりの政策にまたも、そしてこれまでで最大の致命的欠陥が発覚した。17日昼より、東京と大阪の各1ヵ所で早急に摂取を進めるための政府の切り札である「大規模接種センター」への接種予約がインターネットで可能になった。当初より自治体の予約システムを連携がとれないため二重予約が可能とされ告知されていたが、今日発覚した不具合はそれとは段違いにレベルの違う致命的欠陥だ。

編集部で途中まで試した画面(一部ボカシを加えています)この後予約はキャンセル済み

 予約サイトでは虚偽や架空の予約を避けるため、接種券番号、市町村コードを入力するよう求められるが、なんと、この2つの数値の桁数である6桁、10桁の桁数だけ合わせた適当な虚偽の番号を入力しても認証が通り、その後の画面で接種日時の予約ができてしまうのだ。この状態は17日22時現在も変わらず、枠がいまも次々と埋められているとみられる。

 実際の接種にあたっては、当日接種券を持参するなどしなければ不可能になっており、その点ではなりすましでそのまま接種を受けることは難しいともいえるが、現時点で言えるのは、悪意の第三者が虚偽の申し込みで枠を埋め「ワクチン接種させない」という行為が可能になってしまっていることだ。何より深刻なのは単なる個人のいたずらだけでなく、組織的犯行がいま現在できる状態にあるということ。また、入力内容については当日「間違えた」と言い訳しておけば、チケット業者のように「買い占め」「転売」すら可能だということだ。

 防衛省はこの事態をまだ正確に把握しておらず、別の報道機関の問い合わせに「担当部署に確認中」だとしか答えていない。

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