【東京五輪】フランスメディアが〝バブル崩壊〟の危険性を指摘 

フランスからも東京五輪への批判が止まらない

新型コロナ禍の深刻化にも関わらず開催強行へ突き進む東京五輪についてフランスメディアが「バブル崩壊」の危険性を指摘した。

同国メディア「スポールアンドデーブ」は「世界がこのパンデミックに対処し続けていることを考えると、開催を継続することは倫理的に正しく、道徳的に賢明なのか」と開催を疑問視。そのうえで、選手や関係者を外部からの接触を遮断するバブル方式の限界を指摘した。

「アスリートは大会中にバブルにとどまるが、クリケットのインドプレミアリーグ(IPL)での最近の〝バブル崩壊〟は、東京五輪の主催者への警告だ。IPLではバブルの破れが複数の選手につながり、多くの海外からのサポートスタッフが新型コロナに感染した」。例に挙げたIPLを始めスポーツ大会におけるクラスターの事例が続出しており、数万人規模の選手や関係者が来日する世界最大規模の国際大会では、バブルを維持することは極めて困難というわけだ。

そして、大会を開催するために必要なポイントとして「アスリート、コーチ、審判、スタッフの健康と安全を確保できるか。新型コロナによる感染や制限のリスクを考えると、アスリートは五輪に出場する公正なチャンスを確保できるのか。大会が日本の一般市民への感染状況を悪化させないことを保証できるのか。大会が日本の医療制度を不必要に圧迫し、地元の人々から医療資源を奪うことはないか」と列挙。

「五輪の主催者が上記を保証できないのなら、彼らは今年の五輪開催の決定を再考しなければならない」と開催強行の方針を考え直すよう求めた。

国内外から指摘が相次ぐ五輪開催強行の危険性。国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会はいつまで無視し続けるのだろうか。

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